第21話

天音の記憶②
561
2022/06/20 13:23
天音(アマネ)
天音(アマネ)
ゔぅ…
毎日のようにうなされる天音のことについて大広場に集まっていた。
乱藤四郎
乱藤四郎
天音さん大丈夫なの?
薬研藤四郎
薬研藤四郎
体に異常はない。栄養もしっかり取れてる体だし体つきから見ても今までと同じくらいだ。
一期一振
一期一振
つまり天音さんは眠っていても体になんの害も起きていないということかい?
薬研藤四郎
薬研藤四郎
そういうこと。
奏海(カナタ)
奏海(カナタ)
普通の人間ならかなり命の危険があるんですが天音にはそれがない。
面影
面影
すまない、遅れた。
鶴丸国永
鶴丸国永
面影か、待ってたぜ。天音は?
面影
面影
うなされている。多分記憶が戻りつつある証拠なんだろう…だけどあのままにしておけば天音は目覚めた時にパニックを起こすと思う。
奏海(カナタ)
奏海(カナタ)
それについて僕から…
面影が天音の状態とこれからの天音の状況に備えて奏海は……
奏海(カナタ)
奏海(カナタ)
天音のうなされている原因を調べるために夢の中に入るんです。
奏海のその言葉に刀剣男士一同驚いて言葉にならない様子が伺えた。
鶴丸国永
鶴丸国永
おいおい夢の中に入るってどうやって…それに可能なのか?
面影
面影
私の力があれば可能だ。
鶴丸国永
鶴丸国永
こりゃ驚いた…
奏海(カナタ)
奏海(カナタ)
天音はきっと小さい頃の記憶にいると思うんです。小さい頃は優しい母がいましたがその時の記憶からきっと今ある出来事までの記憶が戻りつつあるのでしょう。それはいくら体に異常のない天音でも持つかどうか…
鶴丸国永
鶴丸国永
そこで面影の出番って訳か。
奏海(カナタ)
奏海(カナタ)
はい。面影の力を借りて天音のいる記憶の中に入るんです。天音の歴史にはほんの少し異常が起きるかと思いますが問題はないかと思います。
三日月宗近
三日月宗近
奏海の次は天音か。お主らも色々と面倒なことをされたことよ。して…天音の記憶の中には奏海と他誰がゆくのだ?
奏海(カナタ)
奏海(カナタ)
僕と面影だけです。天音の記憶にない刀剣男士を連れて行っては大きな改変を作る可能性もあります。しかし面影は元々あの家にあった護り刀のようなもの、そこまで影響はないと考えました。
三日月宗近
三日月宗近
そうかそうか。その間しばし寂しいなぁ。
奏海(カナタ)
奏海(カナタ)
すぐに戻ってきますよ。
刀剣男士の承諾を得て天音の夢の中に入る準備をしていた。奏海が一時的に眠るため時間遡行軍もきっと本丸に入ってくるかもしれないからと本丸の皆に任せた。そして奏海と面影の準備もでき今にも眠りそうにしていた。
三日月宗近
三日月宗近
気をつけて行ってくるのだぞ?
奏海(カナタ)
奏海(カナタ)
はい。影響を大きくしないように気をつけます。では行ってきます。
鶴丸国永
鶴丸国永
面影、奏海を頼んだぞ。
鶴丸はとても真剣な顔で面影に言った。
面影
面影
承知した。
面影はその一言に鶴丸の思いを受け止め二人で眠りについた。天音、奏海、面影の手はそれぞれ繋がれていて霊力が三人に行き渡っているのを鶴丸は感じた。

天音の夢の中…
???
やめてよ父さん!!母さんがいなくなったのは父さんのせいだろ!!僕達はなにも悪いことなんてしてない!!
黙れ!!あの女はいなくていいんだ!!俺の前であの女の事を絶対に口に出すな!!いいな!!それからしっかり俺の言うことを聞け!!聞かなかったらぶん殴ってでも教えこんでやる。
天音(アマネ)
天音(アマネ)
……
奏海(カナタ)
奏海(カナタ)
天音だ…今と大きさは変わっていないようだが…
天音(アマネ)
天音(アマネ)
お母さん…帰ってきてよ。私ずっと我慢したよ?お父さんあんなに怒って奏海がいつも守ってくれて…もうお父さんのとこになんて居たくないよ…お母さん…
奏海(カナタ)
奏海(カナタ)
……天音…
息を殺しながら天音の記憶を探っていく。そして天音の暴走の日がやってきた。
天音(アマネ)
天音(アマネ)
お父さん。
あ゙っ?なんだ天音。俺に体でも差し出してくれんのか?
天音(アマネ)
天音(アマネ)
違うよお父さん。体を差し出すのはお父さんだよ?
は?
次の瞬間天音は手に持っていた刀を父親に刺した。内蔵、大腸、胃…色々な臓器また骨までも天音は笑いながら出していた。父親はとっくに死んでいた。天音の体からは黒い液体のようなものが出てきていた。
天音(アマネ)
天音(アマネ)
コイツさえいなければ…コイツさえコイツさえコイツさえコイツさえコイツさえコイツさえ……
その言葉に黒い液体は天音をどんどん囲んで黒く染まっていく。それは寝ている天音にも影響が出ていた。

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