第67話

第67話
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2025/09/27 06:00 更新





父親から逃げるようにして、影山と夜の道を走っていた。






影山の手あなたの下の名前は強くを引き、迷いなんて一切ない。



あなた
……飛雄くん、どこに行くの……?




不安で声が震えるあなたの下の名前に、影山は振り返らず答えた。


影山
うちだ。もう、あんな家に帰さない


短くて強い言葉。



その一言で、胸の奥がじんわり熱くなる。












影山の家に着くと、玄関を開ける音がやけに大きく響いた。






「ただいま」と呟いた影山に、奥から祖母の声がする


影山祖母
おかえり、飛雄。あら、その子は?


影山
……クラスメイトのあなたの下の名前。今日から……しばらく、うちに住む


あなた
えっ!?





影山は少し耳まで赤くして、でもしっかりと祖母を見据えた。


影山
事情は……言えないけど、俺が守る。だから、ここに置いてほしい


祖母は二人を見比べて、やわらかく頷いた。


影山祖母
飛雄がそう言うなら、いいわよ。ご飯も部屋も用意してあげるから、安心して



あなたの下の名前の目に、思わず涙が浮かんだ。
あなた
……ありがとうございます……









その夜。



影山の部屋で二人きりになった。




布団を二つ並べて、同じ空間に座っていると

心臓が変に高鳴る。




あなた
……本当にいいの? 迷惑じゃない?


小さな声で尋ねると、影山はきっぱり首を振った。


影山
迷惑なわけねえだろ。俺が一緒にいたいんだ。だから……ここにいていい






胸がぎゅっと締めつけられる。


あなた
飛雄くん……



大きな手がふわりとあなたの下の名前の頭に触れる。


影山
……もう一人で泣くな。俺がそばにいるから



その温かさに、あなたの下の名前は初めて本当の意味で安心して、涙を零した。

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