荷物整理はすぐに終わってしまった
元々持っていたものはほとんど継母や詩乃に取られてしまったから
私の母、あなたの名字灯は私が幼い頃に亡くなった
母の実家もまた古くから鬼殺隊に関わりを持つ家だった。嫁いできたので花の呼吸は使えなかったけど、街1番の器量良しで笑顔が素敵な人。病気に倒れてしまう前は幼かった私を目一杯可愛がってくれた
その頃は父も私のことを不器用ながらも可愛がってくれていた。今思えばあの時が人生で1番幸せだったな
夢を、見ていた。幼い頃の記憶。思い出したくない記憶。父に見放されたあの日の記憶
あの日から詩乃は私のことを下に見始めたし継母の私に対する接し方が変わった
どうして、、?どうして私は花の呼吸が使えないの、、?
気づくと夜が明けようとしていた。どうしよう、早く出て行かないとまた何か言われる
でも、挨拶くらいしなくちゃだめなのかな、、?
迷っているうちに使用人さんが私のことを呼びに来た
お父様の部屋に行くと腕組みをしながら座っているお父様がいた
それだけ言ってお父様は私に仕立てたばかりであろう着物を渡してきた
部屋に戻り貰った着物に着替えるとあまりにも似合っていなかった。
荷物を持ち庭を歩いていると航さんが家に向かって歩いてくるのが目に入った
そう言って私は足早に生まれ育った家を後にした
お母様、私は今日家のために婚約者様のところに行きます

















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。