前の話
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黒とピンクを基調とした世界にあるベットの上に一匹のカワウソが座っていた。
このコの名前はやみカワちゃん、病みかわを極めるべく生まれたカワウソのぬいぐるみである。
「病みカワってなんやねん。」
ベットの上でそうぼやいているやみカワちゃん。
「やっぱりやみカワちゃんは病みかわの才能ないんかなぁ。」
やみカワちゃんは今まで自分が行ってきた病みかわ行動を振り返ることにした。
そう思い、まず鏡を手に取り自分の顔を見る。
映った自分の顔の右目には黒色の眼帯がついている、そうこれこそがやみカワちゃんが病みかわとは何か考えて始めて行動したものである。
病みかわといえば眼帯だと楽観的に考えてたあの頃がとても懐かしく思える。
「次に頑張った病みかわといえばやっぱこれやな。」
ベットから飛び降りると黒とピンクを基調としたタンスを開ける。
中には光に反射にしてピカッと輝いたハサミが入っていた。
そっと手に取りハサミを空中でジャキンジャキンとする。
「シャキンシャキン。」
ハサミの動きに合わせてこう言うのはやなのお決まりだ。
他にはと考える思考を突如邪魔された。
「やみカワちゃんはいらっしゃいます?」
そう言って現れたのは真ん中にハートの飾りがついたリボンをつけたお手玉型のカワウソのぬいぐるみだ。
背中にある羽で飛んでいる。
「ゆめカワちゃん!!」
「やみカワちゃんお久しぶりですわ。」
優雅に着地するカワウソのぬいぐるみはゆめカワちゃんといい、名前かも分かるようにゆめかわを極めるべく生まれた存在である。
久しぶりに会った二匹は世間話に花を咲かせました。
「ゆめカワちゃんはどうやってそのゆめかわのスタイルを築いていたん?」
ゆめカワちゃんのスタイルとは自身の世界でゆめかわじゃない行動をしたものに制裁を与えるという方法だ。
センサーがあるのか分からないがゆめかわじゃない行動をしたもののところにすぐ飛んでいける。
「これが私のゆめかわだと思ったからですわ。」
迷うことなく答えてしまうゆめカワちゃんはとてもかっこよくや憧れる。
「自分のゆめかわ?」
「やみカワちゃんにもあると思いますよ?」
まるでやみカワちゃんの悩みを分かっているかのように尋ねてくる。
自分の病みかわ?
「分からん……」
「やみカワちゃんは病みかわに囚われすぎですわ、もっと自分の心がドキドキワクワクしたものに素直になさい。」
ドキドキワクワクしたもの……
脳裏に浮かんだのはキラキラと輝く水面、この光景を見たとき非常にドキドキワクワクしたのを今も鮮明に覚えている。
「病みかわじゃない気がするんやけど?」
「やみカワちゃんが病みかわだと思ったものきっと病みかわなんですわ。」
「やみカワちゃんこれで一回頑張ってみる!!」
そう宣言しているやみカワちゃんはとてもキラキラしていた。
「以外なところに自分が自分らしくいられる出会いは転がっているものですわ。」
私もそうだったように……
「ゆめカワちゃんなんか言った?」
「何も言ってませんわ。」
ゆめカワちゃんはこれからもっと成長するだろうやみカワちゃんを見つめ優しく微笑んだ。
何かを感じたようにゆめカワちゃんは空を見上げる。
「私がいないからと……」
「やみカワちゃんがどのように成長するか楽しみですわ。」
ゆめカワちゃんの声はこれからを集中して考えているやみカワちゃんの耳に届かなかったがそんなことは気にせずゆめカワちゃん自分の世界へ飛び立った。
数日後
善は急げと行動したやみカワちゃんは早速自身の世界を出て自分がドキドキワクワクするものがある世界に行った。
世界に入ると視界一面に広がる青色、太陽に照らされ輝く海はまるでやみカワちゃんのこれからを祝福しているようだ。
「これから頑張るぞー!!」
数ヶ月後、全体的に虹色っぽい世界に一匹来訪者がいた。
「ゆめカワちゃーん。」
「やみカワちゃんいらっしゃいませ。」
「あれやみカワちゃんその格好どうしたのですわ。」
左手にフックをつけドクロマークのついた帽子を着ていた。
「海賊になることにした!!」
ゆめカワちゃんは驚くがすぐに優しい微笑みを浮かべる。
「やみカワちゃんの病みかわなのですわね。」
「せやで!!」
やみカワちゃんの顔にはかつての迷いはなく晴れ晴れした笑顔があった。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!