【阿部side】
突然報道されたこのニュースは、日本全国…いや、世界中を轟かせた。
事務所内も混乱に陥り、冷静を保っている人なんて、社長とおつるくらいしか居なかった。
関西の方も、ジュニアの子たちも、勿論東京にいる俺たちだって、冷静の"静"の字も無いほどあわてふためいていた。
『Snow Manの紅一点が消えた』
みんな、頭の中はこの言葉で埋め尽くされていたことだろう。
実際、俺もそうだ。
落ち着いているように見えて、頭の中はぐちゃぐちゃに掻き乱され締め付けられているような、逆に真っ白で空っぽのような。
なんとも、変な感覚に陥っている。
今俺たちが集まっているのは事務所内の会議室。
今日事務所に来てすぐみんなここに集められた。
いや、集まった…の方が正しいかもしれない。
朝一番にあのニュースが流されて、俺は公式ホームページも他のニュースも見てなんとか情報を集めようとした。
でもなかなか情報は掴めなくて、とりあえず急いで事務所に駆け込んだ。
そうしたらみんなも同じ状態だったようで、マネージャーさんが俺らを1つの会議室に集めた。
そんな中、当たり前だけど冷静な人なんて誰も居なかった。
怒ったり、涙を流したり、まだ状況を掴めていなくて漠然としていたり…ね。
こんなカオスな状況を見て沈めようと声をあげたのはふっか。
流石最年長と言うべきか。
いや、でもふっかも相当困惑しているはずだ。
それでもみんなのため…仲間のために……
ガチャ
マネージャーの言葉の間は、俺が今まで生きてきた中でも一番と言える程息苦しいものだった。
だから相当な理由なのだろうと覚悟をした。
けど、足りなかった。
俺はマネージャーの次の言葉を聞いて心の芯ごと崩れ落ちるような感覚に陥った。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。