第7話

やっぱり俺は、嫌われてる。
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2026/01/30 07:31 更新
次の日。肌寒い冬の朝。
目覚めてすぐ隣を見ると、阿部ちゃんの姿がなかった。
彼を探しに、昨日舘様と一緒にいたダイニングルームへ向かった。

ガチャ
dt  .
dt .
あ、おはよう。目黒。
mg  ,
mg ,
おはようございます舘様。
皆の分の朝ごはんを作っているのだろう。
包丁のトントン、という音が鳴っていた。
mg  ,
mg ,
手伝いましょうか?
dt  .
dt .
ううん。大丈夫。
dt  .
dt .
…それより、なんか聞きに来たんでしょ?
舘様は話し相手の心を察するのが上手く、手元の料理に集中しながら聞いてきた。
mg  ,
mg ,
あ、はい。
……阿部ちゃんがどこにいるか知らないですか?
dt  .
dt .
え、阿部?
……知らないなぁ、

なぜか舘様は知っているような表情をしながら、空を仰いだ。
これは何か阿部ちゃんに言われているんだろうな。
俺はそう思い、もう一度聞くが、やっぱり答えることは同じ。


fk  .
fk .
おはよぉー
寝起きでふわふわしたふっかさんがダイニングに入ってくる。
「おはようございます」と返すと、知ってるはずもないが、とりあえず幼馴染ってことだから、知ってるはずじゃないかと思って、彼にも聞いてみる。
fk  .
fk .
え、阿部ちゃん?
聞き返して、数秒ほど経った。
だけど、数秒後には舘様と同じ答え、「知らないなぁ」。

やっぱり、何か隠していることがあるのだろうか?
mg  ,
mg ,
あの、ちゃんと教えてください。
俺、阿部ちゃんが心配なんですけど、
俺がそこまで言うと、舘様が諦めたように口を開いた。
dt  .
dt .
……阿部は、俺に「内緒にしてくれ」って言ったんだ。
mg  ,
mg ,
……え、
dt  .
dt .
その理由はたぶん、

その時、口を噤む彼。
ちらちらと彼が見ているのは、ふっかさん。
dt  .
dt .
知ってるよね、ふっか。


fk  .
fk .
…………っ……。
ふっかさんは考えることにまた数秒費やし、やっと口を開いた。
fk  .
fk .
…うん、阿部ちゃんからもいつか話してくれるだろうけど、めめには俺から話したほうがいいか。
微笑むように俺を見ると、「じゃ、行こっか。」と言い、舘様にお礼を言ったかと思うと、身を翻した。





ふっかさんに続いて、廊下を進む。玄関に近い空き部屋に二人で入り、ふっかさんが部屋の電気スイッチを押した。
fk  .
fk .
…阿部ちゃんのことなんだけど、絶対に口外しちゃダメだからね。
俺がこくりと頷くと、ふっかさんの顔は深刻そうな顔に変わり、重々しく口を開いた。
fk  .
fk .
阿部ちゃんは人と違う“何か”がある。
しかもそれは、彼にとってすごい深い傷みたいなもの。
めめにはそれが理解できるかどうかはわからない。
そこで一旦、息を整えたふっかさんは、真剣な声色で、俺をまっすぐに見つめた。
fk  .
fk .
それでも、いいの?
返事をしようと息を吸うと、玄関から「ただいまー」と一番会いたい人の声がした。
ふっかさんを見ると、彼は「行ってこい。」とでも言うように目配せをし、俺はドアを開いた。
mg  ,
mg ,
阿部ちゃん。おかえり。
声をかけると、一瞬にして笑顔から眉をひそめた阿部ちゃん。
ab  ,
ab ,
なんで目黒がここにいるの?
mg  ,
mg ,
だって、ここ俺の住居だもん。
ab  ,
ab ,
そういうことじゃなくって___
fk  .
fk .
めめは阿部ちゃんのことが知りたいんだって。
ふっかさんが俺のことをフォローする。
阿部ちゃんはマフラーを外しながら俺を睨んだ。
ab  ,
ab ,
目黒が俺のこと知る必要ない。
fk  .
fk .
でも、阿部ちゃんのことを知らなきゃ。相棒として一緒に動かないといけないかもしれないんだよ?
ab  ,
ab ,
それは断じて拒否。俺が。
ふっかさんがどう言おうと、全く俺と二人きりで話すことを許してくれない阿部ちゃん。
mg  ,
mg ,
……、阿部ちゃん
ab  ,
ab ,
何。
mg  ,
mg ,
阿部ちゃんが俺のことが嫌いでも、俺は阿部ちゃんのことが知りたい。…だって、好きな人だよ?
mg  ,
mg ,
知りたいよ、何もかも。
そうやって真剣に彼を見つめた俺に圧倒され、息を呑んだ阿部ちゃんは渋々「夜に。」と了承してくれた。






















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