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第9話

♡9♡
602
2024/06/22 15:00 更新
いじめ、って。
あなた
良くないよね〜…
そんなことは分かっている。
別に私だって馬鹿じゃない。
良識のある両親の元で育てられて、愛されて生きてきた私なのだ。
虐めが良くないことだと言われていることは知っている。
しかしルイーズを蹴落とすためなら、どんな手段も厭わない私である。
もし、
もし実力で、彼女には一生敵わないと悟ってしまったら、
そのうちやるだろう。
時々自分が怖くなる。
でも愛されたい。
もうそこだけは譲れない。
私を不幸にするやつは許さない。
殺してでも幸せになってやる。
そして、
チーノ
ん?
私を支配しようとするこの男。
あなた
え?
まずこいつから、
チーノ
何か言いませんでした?
排除する。
あなた
…いえ
あなた
それで、私を下につけるとか
あなた
結局どうしたらいいんです?
チーノ
ああ、まあとりあえず今日は、予定通り仕事をしてください
チーノ
新兵の訓練がありますよね?
あなた
あ…はい
チーノ
それから考えます
あなた
分かりました
もうこいつに、愛想笑いも嘘も愛嬌も、何も使う必要はない。
無駄に表情筋を動かしたくはないし、もはや攻略対象外の人間に気を使う意味もない。
とにかく彼から離れるため、私は新兵訓練所へと向かった。
近くにいると疲れる。
いや、気を使うのも確かに疲れるが、心の中を覗かれる方が嫌だ。
ああくそ、自分だって自分を作って生きてるくせに、私には指図するなんて。
本心を隠したら楽に生きられるというのは、誰だって同じじゃないか。
しかも私は、それに言い返せる立場ではないのが一番悔しい。
嘘は罪じゃないのに、なんで私はあの男の下につかねばならないのだ。
あなた
…ちっ
絶対にあいつ、自分は受け入れられていると思って調子に乗っている。
自分はここの仲間たちに愛され、理解されているんだと思ってる。
確かにこの国の、仲間の絆は厚い。
でもそれは結局、少しヒビを入れることさえ出来たら簡単に破壊できることを、
他の共同体には属したことのない…否、属せなかった彼には分からない。
あんな性格だから、どうせどこにも居場所がなかったところ、
最後に行き着いたのがここだったのだ。
だから、仲間の絆というものが、一般的にはどういうものなのか知らない。
相場を知らないのだ。
その点、私は違う。
心から仲がいいと言える人間いなかったとも言うかもしれないが、
私はここに来るまで、何度も共同体を変えて生きてきた。
だから知っている。
共同体の壊し方も、壊され方も。
その中の一人だけ引き抜く方法も、爪弾きにする方法も、
輪の中に入る方法も、綺麗さっぱり出る方法だって知ってる。
私はまた、別の仲間を見つけられるが、
チーノさん…いや、もうさん付けもいらなくなるかな。
チーノはここを出されたら、きっと心に深い傷を負うだろう。
そういう意味で、私は彼に確実に勝てる武器を持っているわけだが、
そうだな、まず爪弾きにしてやろう。
そして、自分から出させるんだ。
私が裏で糸を引いてるとは、絶対に悟られぬようにして、
ずっと彼の味方でいるふりをしていよう。
そしたら何かあっても、私が咎められることはなくなる。
それどころか、チーノを依存させて利用することができるかもしれない。
あなた
…うーん
他の幹部に虐めさせる…?
いや、それはダメだ。
利用できなくなる。
私に不都合があったとき、いつでも呼び出すことができるようにしておきたい。
流石に、元仲間とはいえ、自分を虐めてきた人間のいるところには来ない。
だから、チーノが独りでに出ていくように、どうにか仕向けなければ。
後ろめたい思いを作る…とか、か。
そんなことを考えていたら、訓練所についていたので扉を開ける。
あなた
今は夜。
さすがに新兵たちにも疲れが出てきたのか、昼間より動きが鈍い。
私が入室したことに気付いた数人が、周りに声をかけて整列させた。
なるほど、結束力はあるようだ。
そして、黙って前に立つ私に挨拶をすると、そのうちの一人がこう言った。
モブ
…あなたの名字幹部
モブ
我々は抵抗します
あなた
…抵抗?
なるほど。
モブ
減給の話です
モブ
僕らにだって人権はある
これは、これは。
あなた
…そう
計画通り!
あなた
まあ、そう来るとは思いました
あなた
減給だけは可哀想だし増給制も作ろうと思ってたのです
あなた
これで満足でしょう?
新兵たち、こんな生ぬるいことで、満足してくれるなよ。
もっと向上心と反骨精神がないと困る。
モブ
…っそ、そんなわけ…!
モブ
僕らがそうやって操られるのが嫌だ、と言ってるんです!
モブ
もっと余裕があり、かつ自由な訓練方法にしていただきたい!
そうだそうだ、と後ろの方からも賛成の声が聞こえてきた。
素晴らしい、私がより酷い扱いをするまでもなく勝手に団結してくれた。
私を全員で敵とみなして、抵抗をし、自由を勝ち取ろうと言うのだ。
いい、いいぞ。
これで、新兵内での虐めや事件はなくなったはずだ。
あなた
…取り敢えず、これから増給制について説明します
あなた
よく聞きなさい
あなた
月末の集計で上位五人に入った者たちは増給させます
あなた
元の給料の十パーセントね
あなた
これで減っても、翌月頑張ればすぐ回収できるでしょう?
あなた
それどころか増える
あなた
仲間で協力して順位を操作することも、なくなるはずです
バレていたか、とでも言うようにざわざわし始めた。
あなた
これでも満足しないのならば…いいわ、立ち向かってきなさい
モブ
…っ
頑張ったものに給料が多く入るのは、それは当然のことだと思う。
逆に怠けている者が報われないのも、当然のことである。
体が弱くて昇れない?
それならルールに従ってやめてしまえ、戦場で役に立つこともなく死ぬだけだ。
国に忠誠を誓っているから、弱くて昇れない状況でもやめたくない?
そんなに死にたいなら、今すぐにでも部隊を見つけて推薦してやる。
特攻隊、とかな。
モブ
…分かりました
モブ
僕らに実力があったら、そんなふうには言わないんでしょう
モブ
それなら見せてやります、実力
モブ
それで貴女が満足したら、皆が望む訓練をしてください
あなた
いいでしょう、構いません
どうやって彼らの実力を見せてくれるのかは知らないが、
とにかく私に対する反抗心とともに、仲間の意識が芽生えているのは確かだ。
これも私の計画の内だということを、彼らが知る由もないが、
これで自主性も高まって、私が口を出す必要がなくなる。
私に時間ができる。
と、いうことは。
チーノを追い出す準備が捗るわけだ。
実に良い。
総統補佐なんかについていたら、こんなこと考えることも出来なかっただろうし、
やはりこちらに来て良かった。
自分の選択を賞賛しながら、私は新兵たちが訓練に戻るのを見ていた。
あなた
まず、したいことだ。
チーノをここから追い出す。
その過程で、私だけが彼の味方になれる状況を作り出さねばならない。
虐め以外の方法で。
それにより、チーノは私を咎めず、寧ろ依存して利用できるようになる。
そのためには、彼自身に、ここにいることへの後ろめたさを感じさせる。
何か重大なミスをさせるか。
誰かを守りきれず、傷つけた、とか。
…計画は決まった。


















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おわり
夢主のチーノに対するヘイトがもう凄い膨らんでますね
彼女は無能パロを引き起こす系ぶりっ子なんですよね、結局
だから気に入らない奴は平気で追い出すつもりでいます
自分に指図したりする奴とか
承認欲求を満たしてくれずに、不愉快な思いにさせてくる奴は
もう、とにかく自分の近くには置きたくないってことですね
それで、今回チーノさんは見事該当してしまったので
再利用ができる範囲で、壊してやろうと思ってるわけですよ
さあ盛り上がって参りました!
今後の展開に乞うご期待!
じゃ、ばいばい

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