第9話

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2025/05/05 12:02 更新
月島side
月島蛍
………研磨さん達、遅いね
国見英
これ、絶対散歩じゃなくて任務だろーね
月島蛍
…生きてるかな
国見英
当たり前じゃん。あの二人だよ。どーせ爆弾でもぶっ放して帰ってくるって
月島蛍
……そうだね。単細胞脳筋バカは悩みがなさそうでうらやましいよ
国見英
考えすぎネガティブメガネは悩みが多すぎて大変そうだね
月島蛍
もう一戦やる?
国見英
もう俺もお前も体力限界だろ
月島蛍
そーなんだけどサ…なんもやらないって、なんか落ち着かなくて
国見英
それは同意。
…あーあ、早く研磨さん、帰ってこないかなぁ
月島蛍
…ちょいちょい思ってたんだけど、君、孤爪さんに懐きすぎじゃない?態度にでてるとき、たまにあるよ
国見英
え?そう?あーまぁ、赤葦さんと研磨さんなら、個人的に研磨さんのほうが好きかな。でもお前は赤葦さんのほうが好きそうだよね。態度にはでてないけど、声のトーンでわかる
月島蛍
ふーん…まぁ確かに僕は京治さんの方が好きだな。ちゃんと僕たちを見てくれてるって安心感あるし
国見英
なに、月島は自分を見ててほしいの?
月島蛍
誰ににも見向きされないより、誰かに見ててもらったほうがよくない?
国見英
そう?俺は誰にも見られずひっそりしてたほうが楽かな。期待されないしミスしても咎められない。そういう点で研磨さんは割と放任主義の人だから、一緒にいて落ち着く
……違うだろう。本当は、そんなチンケな理由なんかじゃなくて。そう、もっと単純な…。僕は京治さんに、お前は研磨さんに、命を救ってもらったから。ただ、それだけの理由だろう。馬鹿だよな。僕も、君も。尊敬するのに、そんな長ったらしい理由なんて必要ないはずなのに。僕たちは、それを求めることに必死になってしまうんだ。だってそうじゃなきゃ、これからも隣にいられない気がするから。理屈を追い求めて隣に立って、その先になにがあるのかもわからずに、ただひたすら、恩返しがしたいと縋り付く。もし2人がいなかったら、僕たちはきっと、どこかで野垂れ死んでただろうから。素直になれない、まだ半人前の僕たちだ。きっと、この思いもバレている。
月島蛍
……馬鹿だな、ほんと
国見英
なんだよ急に。今度は口喧嘩か?
月島蛍
違うよ。僕は君と違って無意味なことはしない主義なの
国見英
あっそ…
月島蛍
……ねぇ国見
国見英
……なに
月島蛍
君は…いや、君にとって、「許す」ってどういう意味だと思う?
国見英
は?
月島蛍
少し前、京治さんに言われたんだ。「俺は木兎さんを、梟谷を許すためにここにいる」って。その意図が、僕にはまだつかめないんだ
国見英
ふーん…そんなの、本人に聞いてみりゃいいじゃん
月島蛍
聞いたよ当然。でも答えてくれなかった。「わからなくていいんだよ」とか言って笑って誤魔化されたんだ
国見英
じゃあ知る必要ないだろ。本人が知られることを嫌がってんだし
月島蛍
……君って本当に冷たい
国見英
お前ほどじゃない
月島蛍
僕は今君の意見を聞いてるの。君にとって許すってなんなの。答えるだけじゃん。それとも、そんな簡単なことも単細胞バカにはできないの?
国見英
容易い挑発だね。逆に答えたくなくなるよ。ま、お前らしいけどさ…………許す、許す、ねぇ…
国見英
あぁ、そう言えば…研磨さん、前にこんなこと言ってたな。「けーじは今、梟谷を忘れようと必死なんだよ」って
月島蛍
忘れる…?てか、それじゃ君の考えじゃなくない?
国見英
研磨さんの考えが俺の考えなの。悪い?
月島蛍
……盲信すると痛い目見るよ
国見英
お前だって赤葦さんを理解しようと必死じゃん
月島蛍
………早く、帰ってこないかな
国見英
………………………
その声に、国見はなにも言わなかった。いや別に、なんか言っほしいわけではなかったけど。
ちら、と横顔を見る。羨ましいぐらいにきれいな横顔で、少し腹が立つ。 


____ねぇ、君は…君はどうして、ここにきたの。


そう聞こうとして、結局やめた。
その理由が、僕と同じだったらいいのに、なんてつまらないことを、考えてしまった。
今外からめっっっちゃ声綺麗なお姉さんの晩餐歌が聞こえてきて悶絶。アカペラであそこまで上手いのさすがにやばい。ここで声きれいですねなんて言ったら絶対ナンパか何かで歌わなくなってしまうだろうから静かに聴くことしかできない私はなんて無能なんだ。クソすぎる
2人とも研磨ちゃんや赤葦くんを盲信してます多分。弟子が師匠を信頼するのは当たり前のことですからね。ね。2人のは信頼というより崇拝に近いですが。ははは
では、また次回!

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