ずっと、君のことが好きだった。
中学のときに同じクラスになって、いつの間にか仲良くなって。
そのときはまだ、ただの友達だと思っていた。
気持ちに気づいたのは君と初めてパンケーキを食べに行ったとき。
甘いものを美味しそうに食べる君の姿があまりにも愛おしくて、恋を自覚することなんてたやすかった。
それから数年が経った今も、その気持ちは変わるどころか増していく一方だ。
眩しい笑顔、耳馴染みの良い声、分け隔てない優しさ。
食べ物に関しては意外と欲張りで、僕にはたまにわがままになるところ。
好きなところなんて挙げだしたらキリがない。
本当のことを言えば、君が彼への恋心を僕に打ち明けたあの日だって、照れくさそうな微笑みに釘付けになってしまったくらいだった。
苦しいはずなのに、辛いはずなのに、はにかむ君の姿が僕を捉えて離さない。
毒のように全身を蝕んで胸を締め付ける痛みは、苦くて、それでいて途方もなく甘かった。
だから、僕は君のそばで支えることを選んだ。というより、それ以外の選択肢はなかったのかもしれない。
好きなものも我慢して、彼のことを一途に想い続ける君が、あまりにも綺麗だったから。
君が夢中になってる彼に嫉妬したって、君の笑顔を見たら離れることなんてできなくて。
やっとの思いで手に入れたこのポジション。
その気持ちの矢印が僕に向くことがなかったとしても、君が幸せならそれで良かった。
だけど、君は多分気付いていない。
最近、君の笑顔に苦しそうな表情が混ざる瞬間があることを。
今の君は本当に幸せだろうか。
確かに、幸せだけが恋じゃない。むしろ苦しいことの方が多いくらいだってことは、僕が1番わかっている。
こんな心配、僕が都合よく解釈しているだけのただのお節介なのかもしれない。
でも、
僕が好きな君は、もっと笑ってる君だから。
今日だけは、ちょっと欲張ってみてもいいのかな。













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!