〝 とある夢を見た 〟
ザキと紫霊が相棒になった話
俺は人里でコソコソ陰口を言われてた
それを聞いた2人は俺を庇った
俺は笑った
感謝した
2人は眩しかった
灰色の螺旋階段を登った
〝 とある夢を見た 〟
俺はルビーと話していた
ルビーは俺の知らないザキを知っていた
懐かしそうに話していた
俺はそれを意外だと言って聞いていた
灰色の螺旋階段を登った
〝 とある夢を見た 〟
とある夢を見た
空に叫んだ
虚空を見つけた
死んだ鳥が目に映った
翼は曲がっていた
虚ろな目だった
折れた羽は気持ち悪かった
体現していた〝死〟は呆気なく、ただ怖かった
_______行かないと
ザキに会わないと。話さないと。
かれこれ何時間も外でザキを待たせてる。待ってなくても、ずっと立っていない。
ドアノブに手をかけた。ドアノブに力を入れ時計回りに回す。ドアを後ろに
ドアを後ろに
ドアを後ろに
もう一度
ドアノブに手をかける
ドアノブに力を入れ時計回りに回す
ドアを後ろに
心の中の誰かが叫んだ。
「俺を返せ」
「空っぽな心を埋めて」
多分それは
小さい頃の、泣きじゃくっていた俺だった。
おれ、なんとなく図書館に入り浸ってた時期があってさ。
たまに心理学とかも読んでたんだよ。まぁ勉強には全然関係なかったんだけど。
其処で面白い文見つけて。
みんな心の中には小さい子供を飼ってるんだ。
で、その飼ってる子供を泣き止ませるためなら人はなんだってするらしい。
そーいえば、おれの昔やってた奇行の話、聞く?
それがさー…なんだろ、例えばムカつくこととかあるじゃん?
ああいう時って大人は…なんだっけ、そうそう、台パン。台パンするだろ?
偏見?ゔー…まぁ偏見でも!!台パンするじゃん!!するイメージあるだろ!?
けどそれって1人でいるからできることで。普通親に音聞かれたら心配されるし申し訳ないしで出来ない。
え?心配されない?
まぁとりあえず、おれの家庭では心配されたんだよ。
だから、そんなことがあると。
おれはひたすら自分の腕殴ってた。足殴ってた。
シャーペン腕に刺して線引いてた。
そうすればなーんか満たされてたから。
それで、それで!
他にもあるんだ。これ言ったらお前心配してくれるだろ?
……な、聞いてる?無反応だと流石に嫌なんだけど。おれ泣くよ??泣ーいちゃーうよー???
聞かないで。お願いだから。
聞いたって言ってるのはおれで、ぼくだ。
昔のおれなんだよ。
俺はそんなこと言わない。言ってない。
だから、聞かないで。
おねがいだから 。
ドア一枚の分厚さに、ザキは何も聞こえなかった。
床一枚を通り抜けてやってきた昔の匂いに気を取られて。
心理学の本の続き思い出した!
子供を泣き止ませるために必死って言ったじゃん?
でも人って今の自分も大切にしたいからさ。
結局子供殺すんだよ。
んで満足する。
泣き喚いてるのをずっと聞くの、不快だから。
……ってだけの話。つまんなかった?
えー、じゃあ紫霊話してよ。
俺のキラさんの方が口調幼いのが良い。
次回は紫霊さんに少しバトンタッチする予感












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!