夢を見た
昔の夢
ぎしっとベットを軋ませて起き上がる
枕元に置いてあった煙草の箱を片手に
僕はベランダに向かった
(なーう
(にゃーーう
僕が最近早起きしてしまう原因は
ご飯をねだるように二匹で擦り寄ってきた
ズボンは毛で汚れた
煙草を咥えながらスマホを眺める
そこに写っているのは何枚かの写真
幼少期の自分を眺めながら
こんなにわかりやすい顔をしていたのかと少し驚く
本当に、人を見下した目をしていた
煙草でむせるのは久しぶりだった
かちゃん、と
カードキーで扉を開けて
扉を押し開ける
会話は、よそよそしくなった
ひょっこりと扉から頭をのぞかせる
返事がないので、ベッドへ歩く
案の定というべきか、
整った顔を眺めていると、不意に目があった
普段よりもだいぶ色気ある低い声
たまにしか見れない寝起きのそれは
眠いのか、ただ単に無視しているだけなのか
まあ、どうでもいい
乾いた唇を小さく動かして返事を返される
綺麗にツッコむと目が覚めたのか
掛け布団を足で蹴りのけた
元カノが昔使っていたお古のベッドに腰掛ける湊
湊は使い始め、なぜ軋むのかを疑問に思っていたが
「僕のお古♡」と嘘をついたら黙りこくって以来
ベッドが軋むたびに僕の顔から目をそらす












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!