博麗 霊夢
…どうしたのかしら…
アリス・マーガトロイド
こんにちは。
博麗 霊夢
あら、アリス。どうしたの?
アリス・マーガトロイド
魔理沙に会おうと思ってきたのだけど…
さっき、魔理沙とすれ違ったの。
ほうきで飛んでいなかったし、
脚力凄すぎだし、林を無理矢理通って…
何かあったの?
博麗 霊夢
私もよく分からないの。
博麗 霊夢
アリスは、魔理沙のイタズラ手紙知っているかしら?
アリス・マーガトロイド
知ってるよ。魔理沙が霊夢に手紙を
送りつけてくるんでしょ?
博麗 霊夢
そう。
今日は、直接会っているときに
渡してきたのだけど…
博麗 霊夢
私、地味にこれに悩んでいたの。
とんでもない量だし、一言だけだし。
これの確認で休み時間奪われちゃって…
どうせ、「うぃ~」だと思うから、
手紙、破っちゃったのよ。
アリス・マーガトロイド
破っちゃったの?!
博麗 霊夢
急に何よ…
アリス・マーガトロイド
あ、ううん。ごめんね。
それで、どうしたの?
博麗 霊夢
それで、「もうやめてね」って話したら
帰っちゃったのよ。
アリス・マーガトロイド
あ~…なるほどね…
博麗 霊夢
いつもなら、「すまんすまん」とか言うのに
変よねぇ…
アリス・マーガトロイド
あのね、霊夢。聞いてくれる?
博麗 霊夢
何?
アリス・マーガトロイド
実はね…
アリス・マーガトロイド
その手紙は、イタズラ手紙じゃないんだよ。
博麗 霊夢
どういうこと?
アリス・マーガトロイド
あのね…
―――2日前―――
ピンポーン…ピンポーン…
アリス・マーガトロイド
…はぁ。
アリス・マーガトロイド
何度もピンポンしてるのに、一向に
出てこないわね…
ガチャ…
アリス・マーガトロイド
えっ!鍵、開いてるじゃない!
タッタッタッ…
アリス・マーガトロイド
魔理沙~!
霧雨 魔理沙
わぁ、びっくりした。
アリス・マーガトロイド
全然、驚いてないじゃない…
アリス・マーガトロイド
何度もピンポンしたのに…
霧雨 魔理沙
あぁ、すまんすまん。聞こえなかったのぜ。
アリス・マーガトロイド
まったく…
アリス・マーガトロイド
…『霊夢へ』?
霧雨 魔理沙
わぁ!見たな!
アリス・マーガトロイド
なにそれ?それに夢中で気づかなかったの?
霧雨 魔理沙
まぁ、そうだが…
アリス・マーガトロイド
もう、イタズラ手紙でしょ?
何でそんなに夢中になれるのよ…
霧雨 魔理沙
最近は、イタズラ手紙じゃないぞ!
アリス・マーガトロイド
そうなの?
霧雨 魔理沙
ほら…私、性格上、霊夢に日ごろの感謝を
伝えるのが苦手だったんだ…
でも、それじゃ、何も変われないから、
ちゃんとした手紙を書こうって。
アリス・マーガトロイド
ふーん、いつから書いてるの?
霧雨 魔理沙
先月から…
アリス・マーガトロイド
霊夢、感謝の手紙だって気づかないかもよ?
霧雨 魔理沙
いや、霊夢、イタズラ手紙、ちゃんと読んでるみたい
なんだ。だから、これも読んでくれるよ。
アリス・マーガトロイド
なら、いいけど。
ちょっと、見せて。
霧雨 魔理沙
恥ずいけど…いいよ。
アリス・マーガトロイド
どれどれ~。
アリス・マーガトロイド
…
アリス・マーガトロイド
なにこれ?本当に霊夢宛て?
霧雨 魔理沙
そうだが…何か良くなかったか?
アリス・マーガトロイド
いや、いいんだけど…
これ、友達向けじゃないわよ。
完全に好きな子に告白するときの
ラブレターになってるじゃないの!
霧雨 魔理沙
そ、そうか…?
アリス・マーガトロイド
霊夢、顔赤くするわよ…
霧雨 魔理沙
でも、全部本音なんだぜ。
アリス・マーガトロイド
まぁ、魔理沙がどれだけ霊夢に感謝しているかは
伝わるわね。
アリス・マーガトロイド
っていうか、こんなのが1か月間も…
霊夢、飽きてないかしら?
霧雨 魔理沙
あいつは、ツンデレだから「ありがとう」
なんて言わないのぜ。
アリス・マーガトロイド
霊夢が「ありがとう」と言うところ
あんまり見たことが無いわね…
アリス・マーガトロイド
まぁ、送ってみればいいんじゃない?
霧雨 魔理沙
じゃあ、送るのぜ。
アリス・マーガトロイド
健闘を祈るわ…
霧雨 魔理沙
お、おう。
――――――
アリス・マーガトロイド
…ということがあったの。
博麗 霊夢
そうだったの…
ということは、先月分は…
博麗 霊夢
ちょっと、見てくるわ!
アリス・マーガトロイド
私も見るわ!
ガサゴソ…
アリス・マーガトロイド
うわぁ、たくさん…
博麗 霊夢
基本は、毎日。
たまに、週2。
アリス・マーガトロイド
魔理沙ったら…
ガサゴソ…ガサゴソ…
博麗 霊夢
読んでみるわね…
アリス・マーガトロイド
私、そっちの方見るよ…
「霊夢、いつもありがとうなのぜ。」
「霊夢と一緒にいると楽しいのぜ。だから、本当は
もっと一緒に居たいのぜ。」
「霊夢がいなきゃ、寂しいのぜ…」
「最近、新しい魔導書を手に入れたのぜ。もちろん、パチュリーのな。
今度、新しい魔法見せてあげるのぜ。」
「こーりんからゲームもらってきた。今度、一緒にやろうのぜ。」
「りんご、うめー!今度、霊夢のところにも、りんごを送るのぜ」
「霊夢のこと、ずっと考えてる。ちょっと恋人みたいだけど、それほど
霊夢は大切な存在なのぜ」
「霊夢、お泊り会しようぜ」
「霊夢のこと大好きなのぜ。ずっと愛してるのぜ」
「霊夢、今までありがとう。これからも、ずっとお友達なのぜ」
博麗 霊夢
本当に恋人に書いてるみたい…
アリス・マーガトロイド
すごいね…
博麗 霊夢
ポロポロ…
博麗 霊夢
でも、こんなこと言ってくれたの魔理沙だけよ…
博麗 霊夢
グスッ…
どうしましょう。私、全く気付かないで…
破っちゃった…
アリス・マーガトロイド
一緒に直そう。そして、一緒に読もっか。
博麗 霊夢
ええ。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。