あなたの偽名(苗字)side
相澤先生に昼休みに呼び出しされ職員室に行くと校長以外の教師全員が集合していた。
相澤 「来たか、あなたの偽名(苗字)。そこに座れ」
あなたの偽名(名前) 「はい。」
このピリピリとした空気に思わず息を飲む。これから何を聞かれるのだろう、覚悟して挑もう。
相澤 「単刀直入に聞くが、ヴィラン襲撃の際お前はどこで何をしていた。」
あなたの偽名(名前) 「それは…」
緑谷くんと話した内容からすると恐らく私以外の生徒の配置ははあくしているはず、下手に嘘をつくことは出来ない。
広場にいたと言えばあの個性を使った者として疑われるし、何も答えなかったら"内通者"と思われるかもしれない。
相澤 「答えられないのか?」
あなたの偽名(名前) 「っ!」
相澤先生の鋭い目付き、まるで敵として見られているよう。他の教師の人からもだ。
こんな怖い思いをするなら正直に話した方がいいのか、でもそしたらもう雄英に居られなくなるかも。
でも内通者と思われるよりはマシだ、そう思い本当のことを伝えようとすると
?? 「その子は大丈夫なのさ。」
あなたの偽名(名前) 「!?」
相澤 「校長…」
校長先生…!
相澤 「大丈夫ってどういうことですか、説明をお願いします。」
根津 「僕はこの子が入学する際とある秘密を聞いたのさ。」
ミッドナイト 「秘密?なにかしらそれは」
校長にしか言ってない秘密…個性やフィオニアのことだ。
根津 「彼女の話を聞いて危険ではないと判断している、だから今回の事件とはなんの関わりもないのさ。」
相澤 「しかし、生徒からあなたの偽名(苗字)の目撃情報が無いのです。ですので何をしていたのかを聞かなければ」
相澤先生の言う通りだ。こんな怪しいやつ放っておけるわけがない。
根津 「僕が彼女には危険性がないと保証する。信じられないかもしれないがどうか信じて欲しい。」
教師達 「…」
根津 「雄英に入学したからにはなるべく生徒の意思を尊重させてあげたいのさ、今回の事件の彼女の動きは秘密に関わること。」
「でも話を聞いたところヴィランと繋がってはいない。だから危険視することはないのさ。」
こんな私を庇ってくれる、本当に雄英はいい所なんだなとしみじみ思う。
相澤 「…分かりました、信じましょう。」
マイク 「消太が言うなら俺も信じるぜ、少し怖いがな。」
根津 「ありがとうなのさ。」
校長先生が教師一同を説得してくれた、本当に感謝でしかない。
あなたの偽名(名前) 「ありがとうございます、校長先生…」
根津 「お礼は別にいいのさ。それより…」
あなたの偽名(名前) 「?」
根津 「相澤くんやオールマイトになら秘密を言ってみてもいいんじゃないかな?」
あなたの偽名(名前) 「!?」
流石だな、私が話してみてもいいかもしれないと思った人達を言ってくるなんて。
あなたの偽名(名前) 「…考えておきます。」
根津 「うんうん。ではあなたの偽名(苗字)さん、昼休みに戻っていいのさ!」
あなたの偽名(名前) 「はい。あっあと…」
今伝えられることは伝えようと思い震える声を張り上げた。
あなたの偽名(名前) 「今はまだ言えませんが必ず私の秘密、言います!」
「それと…」
「必ず素敵なヒーローになれるように頑張ります!!」
思いっきり宣言をし先生達の顔を見ると、先程までの疑いの目ではなく生徒を見守る教師の目になっていた気がした。
相澤 「…前にも言ったがこれからの行動を見ていくぞ、あなたの偽名(苗字)。」
あなたの偽名(名前) 「はい。」
相澤 「それと…」
あなたの偽名(苗字)「?」
相澤 「信頼、するからな。」
あなたの偽名(名前) 「!?…〜ッはい!!!」
そして私は職員室から出ていった、疑いが晴れてとても安心した。
返事はした時の笑顔は…本物の笑顔だった気がする。
やっぱり私は…雄英が好きだ。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!