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第1話

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2025/08/14 10:53 更新
松野家。

そこには世にも珍しい六つ子が暮らしてる……はずだった。

しかし最近、こんな噂が立ち始めていた。



「松野家って七人目がいるらしいよ……」






昼下がり。



赤いパーカー姿のおそ松が居間でダラダラとテレビを見ている。カラ松はサングラスを直しながら鏡の前でポーズ、チョロ松はパソコンを開き、十四松は廊下で謎の素振り、一松は猫と戯れ、トド松はスマホをいじっていた。


そんな何でもない日常に、玄関の戸ががらりと開く。

松野 零まつの れい
...ただいま


低めの声と共に入って来たのは黒いパーカーの少年。


六つ子より少し背が低く、髪は軽く跳ねている。目つきは鋭いが、どこか人懐っこい笑みを浮かべてるのがこの六つ子の弟、“ 松野 零まつの れい ” だ。
おそ松
お、零じゃん!
おそ松
帰り早くね??
松野 零まつの れい
学校、午前で終わったんだよ。
松野 零まつの れい
あー疲れた
零はそう言い靴を脱ぎ、カラ松の横を通り過ぎようとする。
カラ松
フッ...ブラザーよ、兄貴のギターを聴きたいか??
松野 零まつの れい
いやいい
カラ松
...…...
 
これは日常茶飯事だ。

零は六つ子の末っ子ではなく、「七男」である。


年齢は17歳、現役の高校生。


兄たちはニートで暮らしているが、零は何とか真っ当に学校に通っていた。




しかし、兄たち譲りでマイペースかつやや毒舌。


家では結局、六人の兄の面倒を見たり、巻き込まれたりする日々だ。





その日の午後。

零が自室で課題に取り組んでいると、ドアが勢いよく開く。
おそ松
零~!ちょっとパチンコ行くから一万円貸して!!
松野 零まつの れい
嫌だよ
おそ松
兄の頼みを断るのか!?
おそ松
兄弟愛はどうした!
松野 零まつの れい
じゃぁ俺が明日のテストで赤点とったら、兄弟愛で学校に謝りに来てくれる?
おそ松
...…ごめんなさい。
松野 零まつの れい
わかればよろしい。








こうして松野家七人目の物語が始まった__




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