松野家。
そこには世にも珍しい六つ子が暮らしてる……はずだった。
しかし最近、こんな噂が立ち始めていた。
「松野家って七人目がいるらしいよ……」
昼下がり。
赤いパーカー姿のおそ松が居間でダラダラとテレビを見ている。カラ松はサングラスを直しながら鏡の前でポーズ、チョロ松はパソコンを開き、十四松は廊下で謎の素振り、一松は猫と戯れ、トド松はスマホをいじっていた。
そんな何でもない日常に、玄関の戸ががらりと開く。
低めの声と共に入って来たのは黒いパーカーの少年。
六つ子より少し背が低く、髪は軽く跳ねている。目つきは鋭いが、どこか人懐っこい笑みを浮かべてるのがこの六つ子の弟、“ 松野 零 ” だ。
零はそう言い靴を脱ぎ、カラ松の横を通り過ぎようとする。
これは日常茶飯事だ。
零は六つ子の末っ子ではなく、「七男」である。
年齢は17歳、現役の高校生。
兄たちはニートで暮らしているが、零は何とか真っ当に学校に通っていた。
しかし、兄たち譲りでマイペースかつやや毒舌。
家では結局、六人の兄の面倒を見たり、巻き込まれたりする日々だ。
その日の午後。
零が自室で課題に取り組んでいると、ドアが勢いよく開く。
こうして松野家七人目の物語が始まった__












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!