第42話

「何が見えている?」
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2026/01/17 04:06 更新
ーデスシップ・とある一室ー
ーラテ・sideー




























ラテ
ラテ
………。
皆が出ていってから、早1日が経過しようとしている。

先程、カーラさんが鬼のような形相でこの部屋の横切っていった。

怖すぎて話しかけられなかったが…。

もしかすると、この件も佳境なのかもしれない。
ラテ
ラテ
ウパパロンさん…。
ラテ
ラテ
大丈夫かな…。
手のひらを合わせ、ぎゅっと握り締める。

そこには、大切な人の無事を願う祈りと。

失っていまうかもしれないという恐怖。

その両方を孕んでいた。
ラテ
ラテ
ふぅ…。
…しかし、俯く訳にはいかない。

私が信じずに、誰が信じるのか。
ラテ
ラテ
…。
その場で強く頷き、私は立ち上がる。

そして、この子に話し掛けた。
ラテ
ラテ
…もう、ここには慣れた?



















ラテ
ラテ
マジェルくん。
マジェル
マジェル
…あ、ラテさん。
少し前からいる、マジェルと名乗る少年。

ルカさんが誘拐…?してきた子らしいが…。
マジェル
マジェル
ははは…まだ、慣れませんかね…。
…そのルカさん曰く、「極度のビビり」らしい。
マジェル
マジェル
………。
小さく、プルプルと震えている。

いや、そりゃ怯えるよね。

だって、マフィアの拠点だよ?

あのマフィアだよ?

おまけに、この子はまだ9歳。

怖いに決まっている。
ラテ
ラテ
私も、実はまだ慣れてないんだよね…。
今、あたかも長い事住み着いているベテランみたいな質問をした訳だが…。

脱獄して、ここに来てから1ヶ月も経っていない。

なので、ぶっちゃけこの子と変わらないのである。
マジェル
マジェル
そ、そうなんですか?
ラテ
ラテ
うん。
同じ境遇の人がいて安心したのだろうか。

マジェルくんの顔色が、次第に良くなっていく。

そして、再び目の前の窓へ顔を向けた。
マジェル
マジェル
………。
外では、真っ白な雪が宙を舞っていた。

吹雪と言うほど強くもなく。

ただし、粉雪と言うほど弱くもない。

そんな、中途半端な降雪。
ラテ
ラテ
…雪、好きなの?
マジェル
マジェル
ええ……まあ……。
気まずそうにこちらを見た後…。

マジェルくんは、寂しそうに語り始めた。
マジェル
マジェル
…ここ、両親の故郷があった場所なんです。
ラテ
ラテ
…!
マジェル
マジェル
勿論、ボクの故郷でもあるんですけど…。
ラテ
ラテ
……そう、だったね。
話には聞いていた。

ここには昔、「マジェステック」という国があったことを。

…その国が、クルーエルに滅ぼされたことを。
マジェル
マジェル
…でも、変わってません。
ラテ
ラテ
…?
マジェル
マジェル
この雪は…。
マジェル
マジェル
今も昔も…真っ白で、ふわふわです。
ラテ
ラテ
っ…!
この子は、強い。

失ったものを受け止めつつ。

残されたものを、しっかりと覚えている。
ラテ
ラテ
…忘れちゃダメだよ?
マジェル
マジェル
…?
マジェル
マジェル
は、はい。
私達は、しばらく他愛の無い話を続けた。

いつもより、会話が弾んでいる気がする。

言葉が、口から次々に飛び出す。


その理由は、もう分かっていた。



このどうしょうもない不安を。



どうにかして、紛らわせたかったのである。
マジェル
マジェル
…?
その時だった。

















マジェル
マジェル
…あれ、何でしょうか?
ラテ
ラテ
あれ?
マジェルくんが、窓の方を向いて指をさす。
ラテ
ラテ
………?
外は、相変わらず降雪が続いている。

心無しか、さっきより強くなっているような…。
ラテ
ラテ
何か見えるの?
マジェルくんには、一体何が見えているのか。

舞い続ける雪と、一面を覆い尽くす銀世界。

私の目には、それしか入ってこない。
マジェル
マジェル
そ、空に…。
マジェル
マジェル
黒い…何かが…。
ラテ
ラテ
く、黒い…?
目を細め、雪の中を覗き込む。

すると…。
ラテ
ラテ
あ、確かに…。
宙を舞う、謎の飛行物体を発見したのだ。
ラテ
ラテ
よ、よく見えたね…?
マジェル
マジェル
偶々ですよ。
いや、偶々ってレベルじゃないでしょ。

…と、心の中でツッコむ。

私とて、昔は自然の中で育った身。

目の良さには自信がある方だ。

それでも、凝視しなければ見つける事すらできなかった。


この子、異常なまでの視力を持っているのかも…。
ラテ
ラテ
というか…。
ラテ
ラテ
何だろうね、あれ。
マジェル
マジェル
うーん…。
マジェル
マジェル
ヘリコプター…でしょうか…?
本当によく見えるなぁ…。

私では、フォルムなんてまるで分からない。
ラテ
ラテ
…じゃあ、もしかして「モルス」の?
マジェル
マジェル
い、いえ…。
マジェル
マジェル
先程見せていただきましたが…。
マジェル
マジェル
それとは、少し形状が…。
ラテ
ラテ
「モルス」のなら、大きな「M」のシンボルが見えると思うんだけど…。
「モルス」のシンボルは、言わずもがな大きな「M」である。

これはヒナさんから聞いた話だが…。

メメント・モリさんは、メンバーへこのような命令をしているらしい。

「モルス」の所有物には、必ずこのシンボルを入れるように…と。
マジェル
マジェル
シ、シンボルはあるんですけど…。
マジェル
マジェル
「モルス」のものでは無いような…?
ラテ
ラテ
…!?
ラテ
ラテ
そ、それ、どんな見た目!?
マジェル
マジェル
えっと、あれは…。








































マジェル
マジェル
………「C」?

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