side あなた
今日は、学校帰り、直接バイトに行く。
二口先輩は私の1時間半後にシフトが入っている。
「いらっしゃいませ〜」
いつも通り接客をする。
しばらくして控え室に戻ると、
「お、よぉ」
「二口先輩!」
二口先輩が来ていた。
あからさまに喜んじゃったかな...と、
自分の中で疑問にも思ったが、
あんまり考えないことにした。
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「わ、寒...」
「今日も、送るわ」
街頭に照らされる道にふたつの影。
どうしても、思い出してしまう
「あ、そういえば二口先輩...」
「ん?」
「どうしてこの前、映画に誘ってくれたんですか?」
ずっと聞きたかったことを聞いた。
「あー、えー、、」
答えづらそうなのは何でだろう...
と、思っていたが、
「お前と、出かけられるならどこでも良かったんだよっ!」
顔を背けた彼は、耳まで真っ赤で、
「...え?、」
私も同じ。
目の前は自分の家だと言うのに、
なんだろう、まだ、
帰りたくない。
「俺、お前のこと、好きだ。」
「...え?」
「俺と付き合ってください」
私はサイテー女だ。
心の中にはまだ確かに徹がいる。
けど、
「...っ、私、好きな人を忘れたい。そのための利用になっちゃうかも、でも、二口先輩が好きなのは...事実...矛盾で、言ってること、意味不明ですけど...私で良ければ...よろしくお願いしますっ...//////」
「...利用でもなんでもいい、絶対本気で俺が一番好きって言わせてやるから、な」
今言える、最大限の言葉に、
二口先輩は応えてくれた。
次は私が
「これからよろしくお願いしますっ!」
応える番。
story 1 fin .
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。