side あなた
________次の日
今日もバイトはある。
二口先輩に会えると思うと、夜が待ち遠しい。
そんな上がった気分で教室に入る。
席につき、
「おはよ、国見」
「はよ」
気まずい雰囲気を消すため、
いつも通りにする。、
なのに
「あなた、新しい男できたってほんと?」
なぜこの男は爆弾を投下しようとするのか。
「、、、なんで?」
バイトをしていることを知っている人は居ないはず。
だって言ってないから。
岩ちゃんにも、___徹にも。
なのに、
「なんで、知ってるの?」
ここは、もう付き合ったことは隠さず、
なぜ知っているのかを聞く。
「いや、ほんとなんだ笑」
「え」
「金田一が見たって言ったからそんな事ないと思ってカマかけて見ただけ笑」
「うわ...」
別にバレて困ることでもない。
徹だって新しい女の子いるし。
「別に、だから何?」
「別に〜笑なんもないけど笑」
「...徹に言いたかったら言えば?」
「いや、多分もう知ってるかも」
「...ふーん」
どうでもいい。
私を捨てたのは徹なんだ。
お互いがどこの誰と付き合おうが、
関係ないじゃん。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!