第10話

雪煙の殺人コンチェルト~Prologue編~ (ナイトアウル合同捜査) #9
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2026/08/28 11:12 更新
冬の寒さが厳しいTOKYO CITYの山奥。雪深く、携帯の電波も届きにくい山頂に佇む古びた温泉宿「白銀閣(はくぎんかく)」。そこに、ネストからの緊急合同任務を受けたハウス『フェネックテイル』と、ハウス『ナイトアウル』の6人が集まっていた。
(なまえ)
あなた
……あー、無理。寒すぎて指一歩も動かない。私、このまま温泉に沈んで朝まで寝る……
いつもの私服をだらしなく着崩した探偵あなたの名字あなたの下の名前が、宿のロビーのソファに死んだように突っ伏す。
星宮向日葵
星宮向日葵
もう、あなたの下の名前! シャキッとしてください!合同捜査だし!
記録者、星宮 向日葵が、強くて優しい手つきで綺羅の腕を引っ張り、無理やり立たせた。
桜庭奈菜
桜庭奈菜
つか、合同の相手ってあの序列50位のナイトアウルっしょ? どんな奴らだろーね
もう一人の記録者、桜庭 奈菜が爪をいじりながら言う。その時、ロビーのドアがゆっくりとの開いた。
皇千ト
皇千ト
ご、ごめんなさいすみません許してください……! 遅れてしまいましたぁっ!
入ってくるなり、半泣きでペコペコと頭を下げたのは、ナイトアウルの名探偵・皇千トだった。相手の心を読む「読心」の天才探偵だが、非常に泣き虫で繊細な少年だ。
星喰右手
星喰右手
千ト、泣かないでください。……はじめまして、フェネックテイルのみなさん。私は星喰右手、この人は弟の星喰左手、そしてこの方がわれらが名探偵、皇千トです。
千トの背中を支えながら、入ってきたのが、記録者の星喰右手。犯罪者を容赦なく裁く、圧倒的な武力と怪力を持つ男だ。
星喰左手
星喰左手
あはは、こいつらがフェネックテイル? 結構可愛いじゃん
その後ろから、マイペースにスマホをいじりながら入ってきたのが、双子の片割れであるエンジニア・星喰左手である。
星宮向日葵
星宮向日葵
わあ、可愛い探偵さん……! どうぞ、中に入ってください!
皇千ト
皇千ト
ヒィ、触らないでください!触るなら除菌を…
星喰右手
星喰右手
われらが名探偵皇千トは少々潔癖症でして。
桜庭奈菜
桜庭奈菜
なるほどね!よろしく~!
(なまえ)
あなた
あはは〜、皇くんよろしくね〜。私、推理とか超めんどくさがりだから、全部任せちゃおっかな〜
あなたの下の名前がいつもの腑抜けたお調子者の笑顔で挨拶する。だがその裏で、あなたの下の名前の脳裏には冷徹な思考が走っていた。
(なまえ)
あなた
(皇千ト……『読心』の探偵か。最悪だ、一番会いたくない相手が来ちゃった。私が裏で組織『シャドウ』と繋がっていることが、対面しただけでバレるかもしれない……)
千トは綺羅と目を合わせた瞬間、びくりと身体を震わせ、右手の後ろに隠れた。
皇千ト
皇千ト
ひっ……! こ、この人の心の音……すごく、冷たくて真っ黒なノイズが……
星喰右手
星喰右手
……千ト、どうかしたのですか?この女性が何かしたのですか?
右手が即座に臨戦態勢に入り、林檎を軽く握り潰せるほどの怪力を持つその大きな手が、あなたの下の名前を睨みつける。
星喰左手
星喰左手
いーじゃん兄貴、今は事件の方が先だって。ほら、ネストから次の標的のデータが来たぞ~
左手が飄々とタブレットを差し出し、6人は急いで事件の現場である雪山の奥へと向かった。

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