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第27話

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2025/11/17 09:00 更新
ライブの2日前。
今日は通しリハ。
照明がまだ完全じゃなく、
ステージには白っぽい光だけが落ちている。
曲始まりの立ち位置につき、スタッフがカウントを取る。
スタッフ
いきまーす!3、2、1!
音が流れた瞬間目つきが変わる。

歌いながら何度か客席の関係者席の方を見る。
当日の本番にはあそこにあなたの下の名前さんが来るのだ。
何がなんでもあそこまで届けなければならない。
スタッフ
なんか今日視線のクセ強くない?
スタッフ2
さっきから同じところばっか見てるよなぁ…?

曲が終わって照明が戻る。
ステージの白い光の中、息を整える。
スタッフ
葛葉さん客席の方に何かありました?
Kzh
ン?別に何もないっすけど
スタッフ
同じところばっかり見てたから
てっきり何かあったのかと笑
Kzh
あー笑
多分クセっすね笑
そう誤魔化したものの立ち位置に戻ると
やはり同じところに視線が向く。
Kzh
明後日来なかったら許さねェ、笑
マイクを軽く握り直し、肩の力を抜く。
手のひらには汗がにじむ。
疲労は少しずつたまりつつも
明後日への胸の高鳴りは止まらないのだった。
練習が一区切りつき、スタッフが水やタオルを持ってくる。
座って水を飲み、タオルで髪を拭きながらスマホを見る。
Kzh
なんか来てんな…
画面にはあなたの下の名前さんからの

《明後日のドーム楽しみにしてます!》

という文字。
Kzh
んなこと知ってっし、笑
思わず口元が緩む。
普段本人の目の前では見せられないような笑顔。
そんなときマネージャーが来た。
マネージャー
お疲れ様ですー!
あ、もしかしてこの後の予定確認中でした?
Kzh
見ーんーな!笑
Kzh
いいから笑
ほら次の練習始まんだろ
スマホを見られそうになり慌てて画面を伏せる。
そんな中少しだけ頬が赤くなっている自分に気づく。
マネージャー
誰です?笑
マネージャー
応援してくれてる人?笑

そう喋りかけられている最中にも
もう一度チラッとスマホを見て画面を確認する。
Kzh
…よしやっかァ!
マネージャー
あ、ちょ無視するんですか!?

問い詰めてくるマネージャーに軽く肩をすくめて笑う。
そのまま練習に戻り再びステージの上で歌う。
胸の奥に小さな熱がじわりと広がった。
・怜奈様・月乃様・ぽてらにあん様・🌸さくさくら🌸様
・奏汰様・涙-Rui様・リウ様・獅夏(せんか)様・畏怖様
・りんか様・Nagisa様・ごま様・炭雪様・イオツチ様
・黎明(レイメイ)様
スポットライトありがとうございます;;

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