第28話

25.いらない、
89
2024/09/30 15:00 更新
          五条くんの連絡で硝子ちゃんにも来てもらって、
みんなで食事会、?をする事になった。


家入硝子
あ、五条それ取れ。
五条悟
はぁ?
五条悟
自分で取れよそんくらい。
あなた
あ、私が取りますよ。
家入硝子
えっ…あ、いえ!!!
家入硝子
それなら自分で取ります!!
五条悟
は、んなら最初から自分で取れよ。
家入硝子
それとこれは訳がちげーんだよ!



   そんな、ありふれているような。
   思わず、笑ってしまうような。
   ふっ、と笑ってしまうような会話が好きで。


あなた
(…いい、なぁ。)



   自分の学生時代と比べてしまいそうになる。
   別に、楽しくなかったという訳じゃないけれど。
   ただただ、羨ましいな、と。
   気兼ねなく、背中を預け合える仲間が居て。


夏油傑
…少し、うるさいよ。
夏油傑
悟も硝子も。



   さっきまでの険悪ムードはどこかへいき、
   何ともなかったように皆んな話す。
   それほどの関係を築けていて。


あなた
(…ずっと、続けばいいのに。)



   死が常に隣にあるという事を、
   痛い程知っているから。
   この幸せが、薄いガラスの上に
   成り立っている事を知っているから。
   ……知って、しまっているから。


あなた
(…こんな事を考えないで済む世界で、出会えていたら良かったんですけれどね。)



   …別に、
   その思いを表に出した訳ではなかったのに。
   ただ少し、考えて、そうだったらどれだけ、と
   思ってしまっただけなのに。


五条悟
……おい。
五条悟
お前、なーに辛気臭い顔してんだよ。
あなた
…え、ぁ。



   思わず顔を上げると、
   五条くんと目があってしまった。


あなた
いえ、何でもないですよ。
五条悟
……へー、
五条悟
あっそ。



   見透かされたような、そんな感じがして。
   綺麗な、どこまでも明るい青碧せいへきの双眼に、
   「最強がいるのに何考えてんの」と
   言われた感じがして。


あなた
(学生に、励まされる…とか。)



   心が温かくなった…なんて事はある、けれど。
   それが、どうしても手放しがたくて、
   何をしてでも手に入れたい…だとか。
   そういったものではなくて。


あなた
(……何考えてるんですか、私。)



   ほんの一瞬、頭の中に出てきた遠い妄想を
   自嘲しながら蹴飛ばした。

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