第20話

sixteen 分からないのが気持ち悪い
96
2026/03/19 15:00 更新
MEN side
クラスメイト
クラスメイト
うわ~あいつまた変な顔してるぅ
クラスメイト
クラスメイト
うえ~ほんとだ~

おおはらMEN
おおはらMEN

最初はよく分からなかった


何がそんなに気持ち悪いのか


この人たちが何のことを話しているのか
おおはらMEN
おおはらMEN
おんりー、今日も一緒に帰れる?
おんりー
おんりー
ごめん、今日は無理

そう断られた日から、おんりーの様子が変わった


話しかけても会話を続けようとしてくれなかった


心臓がある辺りが、少しぎゅっとなる感じがした


その感じが何なのかは分からないが、とても心地悪かったのは言うまでもない


そして、あの希望に満ちた深緑色の綺麗な光が、彼の目から消えた


クラスの他のやつらが変に気分の悪くなることを言うほど、おんりーの目は黒く暗く濁っていった

クラスメイト
クラスメイト
あ~来た~!男なのに男好き~!
クラスメイト
クラスメイト
何それきもっw
クラスメイト
クラスメイト
通常運転だろw
おんりー
おんりー

だんだんと理解ができた


自然に本を握る手に力が入る


この感じはよく分からない


でも、気分が悪い


この人たちのせいで、おんりーがおんりーじゃなくなっていく
クラスメイト
クラスメイト
めんく~ん♡

なのに、俺には何もなかったかのように近づいてくる


頭の中で、黒い糸みたいなものが気味悪くぐちゃぐちゃと動いている


____

クラスメイト
クラスメイト
あ~おはよう痩せ我慢さん!w
おおはらMEN
おおはらMEN
……

翌日、教室に入ってきたおんりーの目が少し明るくなっていた気がする


でもハイライトは入っていない
おんりー
おんりー
チラッ
おんりーがこっちを見た


すぐ視線を本に戻す


おんりーが俺をちゃんと見たのは久しぶりだった


おんりーはまっすぐ席に向かって歩き、俺の方を向いた


柔らかい手が肩に優しく触れる
おんりー
おんりー
MEN…

思わず口角が上がった


ここ数十年間、しばらく聞こえなかった自分の鼓動が聞こえた気がした
おおはらMEN
おおはらMEN
ん?
彼の顔を覗くと、彼は俺を見ていなかった


俺を通り越した、その先の何かを直視したまま固まっていた


みるみる顔が青白く染まっていく


呼吸もはやくなっていっている


第二次世界大戦の戦場にいた自分にとって、これが人間の体において良くないことというのはすぐに分かった


でもどうすればいいかは分からなかった
おおはらMEN
おおはらMEN
おんりー!
おおはらMEN
おおはらMEN
おんりー!大丈夫か?
おんりー
おんりー
フーッフーッ…

落ち着いたおんりーを見て、自分の鼓動も落ち着き、やがて聞こえなくなった
おおはらMEN
おおはらMEN
大丈夫?

おんりーの目はしっかり俺を捉えた


でもいつもみたいな優しいくて落ち着いた目じゃなかった
おんりー
おんりー
ごめん…

そう言って彼は離れていってしまった


おんりーの体と心ををだんだん蝕んでいくこの空気


何かわからない


何も感じることができない


それが本当に気持ち悪い





next   ▹▸   seventeen 望むのは無

プリ小説オーディオドラマ