第2話

見つけたもの
17
2024/04/27 09:53
その「雨の日喫茶」のドアは古臭いチョコレートのような甘い香りを纏わせている扉だった。

私は、緊張して、目を閉じながら扉を引いた、鐘の軽やかな音が耳に心地よい。

そっと目を開くと、たくさんの小瓶の中に、色々なものが入っていた。コーヒー豆、茶葉、クッキー、飴、スパイス、他にもいろいろあって、なんだか魔法みたいだった。

久しぶりだった。こんなにも楽しくて、輝いているのは。

そして、私はある瓶に釘付けになった。

それは棚の上に飾られている雨のように深く綺麗な色の飴細工だった。

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