そのまま一方的に質問を続けていたら、疲れて眠ってしまったみたい。
いつの間にか目を閉じて小さい寝息が聞こえてきた。普段のあの態度からは想像できない程可愛らしい寝顔に心が高まる。撫でるように髪をかき上げてみたら、より鮮明に顔が見えて心臓がうるさい。
こんなことできる機会なんて早々ないから、今のうちに楽しんでおかなくちゃ。
可愛くて可愛くて仕方がない。僕より年上だけど赤ちゃんを見てるみたいだ。
明日も学校だし、僕も早く寝なくっちゃ。可愛いいふくんをこれ以上拝めないのは名残惜しいが、遅刻して怒られる方が気が引ける。そのまま目を瞑って夢の世界へと飛び込んだ。
次に目を覚めたのは朝日が登った頃だった。久しぶりに目覚ましが鳴る前に起きた気がする……いふくんとお泊りをしたおかげだろうか。
そういえば、いふくんの姿が見当たらない。
お泊まり会をしたのは夢だったのだろうか……いや、そんなはずはない。一緒にお風呂だって入ったし一緒のベッドで眠ったはず……起き上がり、いふくんを探しにドアを開ける。
1枚の扉の先、そこにはキッチンでなにか作業をしているいふくんが顔を覗かせていた。
既に制服を身につけて髪の毛まで整っている。一体どれだけ早く起きたのだろう……それにしても、いふくんが作る朝ごはんとか楽しみで仕方がない。一言礼を言って、その間に支度をさせてもらうことにした。
いふくんと同じ制服を身につけ、まだ慣れないネクタイを縛る。棚の上に置いた香水を振りかけ、アイロンを使って髪の毛を外に跳ねさせる。自然だと思われがちだが、この外ハネは毎朝アイロンで作っているものだ。
ある程度支度を終わらせ、いふくんの元に戻る。
机の上には美味しそうなフレンチトーストが並んでいる。まともに朝食を食べるのはいつぶりだろうか。
一口頬張ると、手作りを感じない美味しい味が口の中に広がる。市販のものよりも何倍も美味しい。夢中になって口の中に放り込み、一口一口大事に食べる。
最後の一口まで食べきり、ある程度食器をゆすいでから鞄を持って家を出る。いふくんと登校するのは初めてで緊張する……。無言の空間が続くが、決して気まずくはなかった。
お気に入り100ありがとうございます!!
こちら小説コンテストに応募させていただきました。
少しばかり投稿頻度は増えるかもしれません。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!