第4話

止められない花子さん
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2026/05/25 04:00 更新
次の瞬間
旧校舎の廊下であなたを襲った怪異は自分を祓った存在を認知する間もなく切り裂かれた。
包丁。
ただの調理器具のはずのそれが、恐ろしい刃となって敵を切り刻んだ。
花子くん
花子くん
……ねえ
花子の声は、妙に明るかった。
花子くん
花子くん
あなたの名字に、何したの?
目の前の怪異は答えられない。答える前に“存在を失っていた”。
それでも花子は笑っていた。
口元だけが、いつも通りの形をしている。
けれどその目は、完全に“怒り”だった。
花子くん
花子くん
俺さぁ、結構優しい方だと思うんだよね
花子くん
花子くん
でもさ
一歩、踏み出す。
花子くん
花子くん
あなたの名字を傷つけるやつは、嫌いなんだ
次の瞬間
空気が爆ぜた。
その場にいた七不思議の一部すら、一歩後退する。
七不思議メンバー
七不思議メンバー
……あれが、七番様……?
蒼井茜
蒼井茜
違う。あれは…
言葉が続かない。
茜は震えながら見ていた。
蒼井茜
蒼井茜
……あの人、こんな……」
そこへ駆け込んできた源光が叫ぶ。
源光
源光
花子!! あなたの名字先輩が――!
その言葉の途中で、光は気づいてしまった。
いつもの軽い調子の花子ではない。
源光
源光
……花子……?
その小さな呟きだけが、やけに響いた。
花子は振り返らない。
ただ、怪異を見つめたまま言った。
花子くん
花子くん
少年、そこから動かないでね
その言葉は優しいのに有無を言わせぬ迫力があった。
光の背筋が凍る。
源光
源光
(これ……輝兄でも止められないかもしれない……)

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