部屋には、沈黙が広がっていた。
此処は太宰の部屋で、此処にいるのは二人だけ。
何方も、話す機会を伺っている。
静かな空間に、敦の声が響いた。
「別れましょう」
そう云われるのは判っていたから、先に宣言しておいた。其れに……。
『別れましょう、太宰さん』
こんなこと、二度も云われたら、立ち直れる気がしない。
泣きそうな顔で、太宰を見上げる敦。
かわいい。……いや、そんなことを思っている場合ではなく。
迚も簡単なことだ。
好きで、大切で、愛していて。敦君が居なければ、私は生きていくことすら難しい。其れくらい、敦君のことが好きなのだ。
人はこれを、依存という。
そうだ、依存だ。それの何が悪い。
だからこそ、私は一生、彼を離す気はない。
敦の奇麗な目を見て、好きだからだと伝えた。すると恥ずかしいのか、ほんのりと顔を赤らめながら、小さな声でお礼を云う。
つい声を洩らしてしまった。
耳まで顔を真っ赤にして、目を泳がせている。
このまま、誤魔化されてくれないかなぁ。心の底から切望する。
嗚呼、無理そうだ。
やっと目的を思い出して、深呼吸して落ち着こうとしてる。
一気に顔を上げ、覚悟が決まったみたいな声で、絶望に感じる言葉を発した。











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。