葉戸山に避難してきてから30分くらいが経った。
全校生徒みんな無事だ。
私はあの日みたいに、今後はどうなるんだろうって考えてる。
またあの時みたいに、「福島の子だから」「被爆した子だから」とか、指を差されるのかなとか、
また大好きな人との壁が増えるのかなとか、色々。
誰も見た事のない高さの津波。
ざっと30mはあるのかな。
怖い。
みんな頭がおかしくなって行くのがわかった。
怒って、笑って、泣いて、狂って、腰が抜けて動けない子も居た。
1時間前まで普通に暮らしていた自分たちの街が徐々に流されて行くのを、高みの見物の如く山頂付近で見ている。
もちろん私達も怖かった。
もしかしたら、第二波でここまで波が来るんじゃないかとか、余震で土砂崩れがあるんじゃないかとか。
それでも、生き延びる術を探した。
必死に考えた。
あの時のお父さんみたいに、誰かを助けられる考えを考えなければと思った。
そう、運がいいことに葉戸山は葉戸未校の合宿地でもあるため、年に一度の全校生徒キャンプの時に使われる山小屋(全生徒分)があるのだ。
子供は昔から大好きだ。
面倒見の良くて、良い子。
そんなことを生前、母に言われたことがある。
ちゃんと計画を立てて、実行する。
失敗は許されないことだから、誰かと相談して決める。
私は、ひとりじゃない。















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。