第2話

🪽 × 2 令嬢、オークションを潰す
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2025/12/30 09:00 更新
❲ オークション会場 ❳  < あなたの下の名前( カタカナ ) 視点 >



  オークション会場に居た悪者の人々が悲鳴を上げ、
  辺り一帯がざわめき合い騒然の化す。

  地獄もさながらの景色である。


あなたの下の名前( ローマ字 )、大丈夫だった?
あなた
うん、ありがとねザリ



  黒に赤紫色のインナーを入れた髪を揺らせて
  私の前にふわりと着地したのは、
  ザリ こと ヴェザリウス、お父様の護衛係の青年だ。

  昔、お父様が訪れた遥か遠い国で拾った孤児らしく、
  元々は私の国の言葉と別言語で話していた。

  けれどザリ自身がこちらの言葉を勉強したからか、
  少しであれば話せるし、通訳も出来るので、
  別言語を話せない私にとっては頼れる存在である。


あなた
ザリ、ウィルとベンタは?
zl . 🧻
嗚呼…、2人なら…あそこに居るよ



  ザリの指差す先にはウィルとベンタの姿。

  ヒットマンを名乗りつつ銃を振り回すウィルと、
  敵に一切の容赦の無い攻撃浴びせるベンタは、
  どこからどう見てもヴィランにしか見えないだなんて
  本人達には言わないでおこう。

  そして2人もザリ同様に遥か遠い国で拾われ、
  銃術と武術、戦い方に違いはあれども
  立派なお父様の護衛 兼 戦闘員なのである。


あなた
うわー…この2人に会うなんて…御愁傷様だね…
zl . 🧻
彼らの日頃の行いが悪いからね、仕方ないよ
あなた
ザリも結構言うね 
でも、そんな所も最高に好きだよ



  こんな荒れた場所で笑い話が出来てしまう私達も
  中々に狂っているのかも知れない。

  でもこの場所だと、それすら霞むのだ。

  人を金で売り買いしている人間なんぞに比べれば、
  私達の方がマシだなんて思えてしまう程に
  愚か極まりない話だ。


あなた
さて、この子達も連れて行こっか



  そんな言葉を発せば、ビクリと肩を震わせる彼ら。

  睨む様にこちらを見る仲間想いの子も居れば、
  身を寄せ合って震えあっている子も居るのを見るに、
  さぞ捕まった場所が悪いのが見て取れる。

  痩せこけた頬、骨と皮だけの細い手足、光の無い瞳。

  彼らは確実に私達を、人間を信用出来ない、
  過去でも、そしてこれからでも。


あなた
今、手空いてる人って居る〜?
yu . 🥽
『 僕、今空いてるよ!!! 』



  ふわりと横に着地したウィルが私の方を見て言う。

  ベンタは…、まだ忙しそうなので
  ウィルに頼もう。

  ちなみにウィルには翻訳機を渡しているので
  難しくない多少の会話なら翻訳してくれる。


あなた
この4人連れてくんだけど、
半数くらいは暴れるから手伝って欲しくて…
まあ…、想定だけど…
yu . 🥽
『 あなたの下の名前( ローマ字 )の仰せままに! 』
あなた
うん、ありがとねウィル



  そう言って彼らの方に振り返ろうとすると
  青年の1人が長い爪をこちらに向け、迫ってきていた。

  それは私の方に向いていると意識が判断し、
  私は思わず目を瞑ってしまった。


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