第30話

28. もしも なんて存在しない
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2026/02/19 09:00 更新









あなた
ああ〜〜、やっぱりクロロが一番落ち着くよ……
クロロ
急にどうしたんだ…


二人でいつものお店で待ち合わせをし、席に着いた途端に漏れ出るため息。疲労と、安心感の二重である。

注文表を渡そうとしてきたクロロの手が引っ込み、勝手に私のご飯も注文してくれた。えっよく私が食べたいものわかったね。すごっ。

あなた
急に無理矢理友達の家に連れて行かれたり、犬のフン踏んじゃったり……あっダジャレみたい。今度使っちゃお
あなた
あと別の友達ヒソカとトランプで遊んだらダウト全敗だし。何なんだろ、やっぱ私の悪運なのかな
クロロ
待て1個目誘拐じゃないのか??
あなた
やっぱりそうだよね私もそう思ったんだよね
犯罪ダメ、ゼッタイ。

やはり "急に" と "無理矢理" を強調しただけあって、クロロも引っかかったらしい。イルミ、私が貴方を訴えたら勝てる可能性が出てきたよ。裁判所で会おうね。

まあ疲労のいちばん大きな原因は、ビスケを除いた友人全員に隠し事をしているせいだと思う。念の習得にも疲れるけど、ビスケの念能力のお陰でそこまで苦にはなっていない。
ただ、すっごく疲れるんだよね。「念について知っていると公言しない」ことって。そっちに意識がいっちゃうからさ。単純な脳みその私にはキツい。

するとクロロが、少し考え込むような仕草を見せた後、「 あなた 」と名前を呼んだ。

クロロ
…もしもの話、だ。俺が悪事を働いていたとしたら、お前はどうする。会うのを辞めるか?
クロロ
(……俺は急に何を言って…)

あなた
何言ってるの?クロロは貴重で大事な私の友人1号なんだから。会わないこともないよ
クロロ
! ……ん?1号?
あなた
うん、友達1号。
クロロ
学校で人気者だった云々の話を聞いたのは気の所為か?
あなた
なんていうか……私の顔が良すぎて一目置かれてたっていうか。対等な存在として見てくれてない感じだったんだよね

あんまり覚えていないけど、クラスの子に話しかけたら「 あなたちゃんに話しかけてもらっちゃった! 」だとか騒いでいたような気がする。
クラスのみんなが皆そんな感じだったため、話しかけるのも少し憚られてしまっていた。

私ってこんなにもおもしれー女なのに……。
クロロ
……お前も苦労したんだな
あなた
私の美貌に張り合える人間がいて良かった
クロロ
その高すぎる自己肯定感と自尊心はどこから来るのか謎に思っていたが学校での支持とナンパのせいか
あなた
あと事実ね
クロロ
まあそれは否定できないが……
クロロ
(やはりコイツは俺が旅団の頭であると知っても"逃げる"という選択肢をとらないだろうな……あのルールを設けて、良かった …)

また何か思案顔を浮かべているクロロを横目に、ちょうどご飯を届けに来た店員さんに感謝を伝える。

ああいう質問をしてくる人間って、大体「 既にしている 」もしくは「 これからそうしようとしている 」の二択なんだよね。
クロロが前者か後者か知らないけれど、やたら自分について話さない彼が自分から踏み込んだって事は、少しは心を開いてくれたって証拠なのかな。だったら嬉しいけど。


ただでさえ疲れている頭で、クロロの思惑を探ろうとすると倒れてしまいそうだ。私の周りの友人、ほとんどが隠し事してるだろうし考えたって意味無いよね。お腹すいたし早く食べよーっと!




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