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第10話

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2024/06/22 01:41 更新







今。
私が灼熱地獄の外へ出ているのには理由がある。
そう。刀也くんの剣道の試合の観戦のためである。
この夏初めての大会。
あんまり大きな大会では無いと言っていたが、全国大会出場者や大会優勝者など実力派が多くそろうレベルの高い試合となっている。
でも。刀也くんなら勝てると思ってた。
結果は準々決勝敗退。
相手は刀也くんより2学年年上で、刀也くんより身長や、体格も大きかった、全国大会出場経験者。
刀也くんになんて声をかけよう。

頭をフル回転させながら出口で刀也くんを待つ。
そうこうしている家に刀也くんが来る。
「あ、刀也くん!お疲れ様ー。」
なるべく笑顔で話しかける
「見に来てくれてありがとうございます。」
沢山汗をかいたのか前髪がおでこに張り付いている。
「剣道のルール知らなかったけど、楽しかったよ。」
とりあえず感想を!と思ったが。
ふっと悲しそうな顔になる。
「、、、あんまりかっこいい所見せられませんでしたね。」
、、、、。
「、、相手は年上だったし。身長も体格も相手の方が有利だったし、、さ。」
なんだか私が言い訳しているみたいで口をモゴモゴさせる。
「、、僕が負けたのは、僕の努力が相手の努力を上回らなかったからです。
それだけ相手は努力してきたんでしょう。
僕が不甲斐なかっただけですよ。」
刀也くんは優しく言う。
平然を装っているが、刀也くんは多分。
悔しがっている。
誰もいなかったら泣きわめいていることだろう。
「、、、」
やばい、、泣きそう。
今1番辛いのは刀也くんなのに。

「なんであなたさんが泣きそうなんですか笑」
「だって、刀也くんが毎日練習してること見てたし、、グスッ。刀也くんが1番悔しがってるし。グスッ」
「、、、バレましたか。本当は悔しいです。」
「グスッ刀也くんかっこよかったよ。」
ほんとのことは伝えなければ。
「ンフフなら良かったです。」
若干鼻声で答える。
「次は、私がかっこいいところを見せます。優勝したら泣いてくださいね。」
来週ある試合に宣戦布告する。
刀也くんはちょっとびっくりしてまた笑顔に戻る。
「1番泣くのはあなたさんですね。」
「う、、。負けたらもっと泣く。」
「ンフッw泣いてそうw」
朝来た時とは違う方向から太陽があたる。
🕊 𝕖𝕟𝕕 𓂃 𓈒𓏸

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