フィリックスside
ヨンジュさんの運転する車に揺られながら、組織の場所へ向かう。
初めて組織へ行く緊張感と、ジナに対する不安。
2つが混じって少しばかり手が震えていた。
どうやら自覚がなかったようで、肩を軽く回し、再び手を添えてくれた。
少し悲しそうな顔をするヒョン。
どう勇気付ければいいんだろう…
言葉がまとまらない…
そうチャニヒョンが呟いて、頭を撫でてくれた時だった。
本当に倒したの…
スピードが落ち、やがて建物の前で止まった。
思ったより質素で大きかった。
自動ドアを開けてくれたヨンジュさんは入口らしき方を指指した。
お辞儀だけしてヨンジュさんが指差してたアイエンっていう人のところへ行く。
この声、聞き覚えがある…
やっぱり声が一緒だ。
そう言って建物内に招き入れてくれた。
外が質素だから中もかな…なんて思ってたけど、中はすごく綺麗。
柔らかめのカーペットに明るくて高い天井。
こんないい環境だったんだ…
不思議な感じ…
俯きながらそう打ち明けるアイエンさん。
しばらく無言のまま歩くと、医療室と書いてある部屋が見えてきた。
ランプが灯ってて、治療中とかいてある。
チャニヒョンとアイコンタクトを取り、部屋のドアを開ける。
すると中には数人の人がいた。
チャンビニヒョン、と呼ばれた人も大分ゲガをしているようで、あちこち痛々しい包帯が巻かれている。
すごく気まずくて仕方がないけど、思い切って聞いた。
現場でのことを改めて詳しく教えてもらった。
目の前で眠っているジナからは感情が読み取れない。
ねえ……痛い?
平気…?
お願い…起きてよ…




















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。