第33話

33話
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2024/06/11 08:51 更新



フィリックスside








ヨンジュさんの運転する車に揺られながら、組織の場所へ向かう。






初めて組織へ行く緊張感と、ジナに対する不安。






2つが混じって少しばかり手が震えていた。




バンチャン
バンチャン
大丈夫…大丈夫…ジナを信じて…
フィリックス
フィリックス
…チャニヒョンも体が強張ってるよ?



どうやら自覚がなかったようで、肩を軽く回し、再び手を添えてくれた。



バンチャン
バンチャン
心配させてごめんね、俺もまだ焦ってて…


バンチャン
バンチャン
まだ未熟かな…


少し悲しそうな顔をするヒョン。



フィリックス
フィリックス
ヒョンは未熟じゃないよ…?
フィリックス
フィリックス
今僕が生きてられるのはチャニヒョンのおかげなんだから


どう勇気付ければいいんだろう…



言葉がまとまらない…



バンチャン
バンチャン
っ…ありがとう…
バンチャン
バンチャン
気持ちは伝わったよ?十分過ぎるくらい

バンチャン
バンチャン
もっと頼りになるヒョンになりたいな…



そうチャニヒョンが呟いて、頭を撫でてくれた時だった。



ヨンジュ
ヨンジュ
あ、もうその必要は無いかも
フィリックス
フィリックス
へっ…?どういうこと…?

ヨンジュ
ヨンジュ
…あいつが社長を倒したんで
フィリックス
フィリックス
っ…うそ……



本当に倒したの…




ヨンジュ
ヨンジュ
倒した後に不意討ちされそうになってあいつが庇ったみたい
ヨンジュ
ヨンジュ
とりあえず迎えに行けって言われたので何も知らないけど…


スピードが落ち、やがて建物の前で止まった。



思ったより質素で大きかった。



自動ドアを開けてくれたヨンジュさんは入口らしき方を指指した。



ヨンジュ
ヨンジュ
あそこのアイエンって子に聞けば分かります
フィリックス
フィリックス
あっ…ありがとうございますっ!


ヨンジュ
ヨンジュ
ジナを助けれる人は君だけだから
ヨンジュ
ヨンジュ
ジナをよろしく…
フィリックス
フィリックス
っ…はい!






お辞儀だけしてヨンジュさんが指差してたアイエンっていう人のところへ行く。



アイエン
アイエン
ヨンボクさん、僕がアイエンです

この声、聞き覚えがある…



やっぱり声が一緒だ。



フィリックス
フィリックス
電話の人…ですか?
アイエン
アイエン
はいっ、そうです!

アイエン
アイエン
連れてくので着いてきてくださいっ!


そう言って建物内に招き入れてくれた。


フィリックス
フィリックス
わぁ……


外が質素だから中もかな…なんて思ってたけど、中はすごく綺麗。


柔らかめのカーペットに明るくて高い天井。




こんないい環境だったんだ…


不思議な感じ…



アイエン
アイエン
びっくりしました?
フィリックス
フィリックス
あっ…はい…
アイエン
アイエン
タメ口でいいですよ。僕の方が1つ下なんで


フィリックス
フィリックス
知ってるの…?
アイエン
アイエン
情報収集得意なんで。あと…ジニヒョンに色々聞いてましたし…?


俯きながらそう打ち明けるアイエンさん。


フィリックス
フィリックス


しばらく無言のまま歩くと、医療室と書いてある部屋が見えてきた。



ランプが灯ってて、治療中とかいてある。


アイエン
アイエン
…入りましょう
フィリックス
フィリックス
…うん、


チャニヒョンとアイコンタクトを取り、部屋のドアを開ける。






すると中には数人の人がいた。



リノ
リノ
…お前がヨンボクか?
フィリックス
フィリックス
はい…
チャンビン
チャンビン
イエナ、案内ありがとう
アイエン
アイエン
いえ、チャンビニヒョンは大丈夫ですか?


チャンビニヒョン、と呼ばれた人も大分ゲガをしているようで、あちこち痛々しい包帯が巻かれている。


チャンビン
チャンビン
あぁ…大分マシだよ
フィリックス
フィリックス
っ…その…ジナはどうなんですか…?


すごく気まずくて仕方がないけど、思い切って聞いた。



スンミン
スンミン
ごめん、詳しく説明してなかったね


現場でのことを改めて詳しく教えてもらった。


スンミン
スンミン
一命は取り留めたけど…まだ目覚めるかどうかは…





目の前で眠っているジナからは感情が読み取れない。







ねえ……痛い?







平気…?






お願い…起きてよ…




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