_次の日_
あなたの高校にて
花音は私の幼馴染。
唯一私の家庭の事情を知ってる親友だ。
もちろん嵐と住んでいることも。
でも心臓のことは言っていない。
私は今日、花音に全て話す。
病気のこと。
もうそんなに長くないこと。
6人のLINEグループ
花音には言う決意ができたけど、
嵐のみんなには、、、。
平然を装うたびに
胸がちくりと痛む。
_広場_
花音が手をぶんぶん振ってこっちへ走ってくる。
幼稚園の頃から変わんないな…
なんて思ってしまう。
花音は言葉を失ってしまった。
涙が溢れて止まらなかった。
とてもあったかい涙だった。
私は花音に抱きついた。
人の前でこんなに泣いたのは初めてかもしれないってくらい泣いた。
私の心が少しだけ、スッキリした気がした。
花音ありがとう。
大好きだよ。
病気に負けてたまるか。
花音のためにも、絶対長く生きてやる。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!