第6話

迫る恐怖
369
2024/03/25 12:00 更新
眉済の兄貴は彼女がいる部屋のドアをパタンと優しく閉じた後にそこから数歩歩く。
眉済 俊之
ここなら恐らく大丈夫だろう。

彼らは彼女の耳に届かない程、そのドアとの距離は十分にとれた
 
阿蒜 寛太
眉済の兄貴
こんな展開いきなりすぎて
頭が追いつきません…
伊武 隼人
…同じくです
眉済 俊之
いや、まだそうと決まった訳
じゃない…訳じゃないんだがな…
 
まさかの急展開で彼らは分かりやすく困惑している様子を見せた。
 
眉済 俊之
夜桜 光綺…
確かアイツからは家族、兄弟
の話を全く聞かねぇ
眉済 俊之
…夜桜 心美だったな。
あの子はまだ正式に
入門が決まったわけじゃないが
眉済 俊之
もし、あの2人が本当の姉妹
だと言うのなら
前触れなく会わせるのも互いに気が
引けるだろうしな…
阿蒜 寛太
仲が良ければ案外上手くとか…
いや、ないかな…
 

眉済の兄貴の表情は更に硬くなり、腕を組みながらこう言った。
 
眉済 俊之
血が繋がっているのなら
これはマジで言うべきではない
だろうけどよ…
眉済 俊之
あの2人は…









眉済 俊之
…顔立ちが似てねぇよな気がする
阿蒜 寛太
…な
伊武 隼人
…っ

その眉済の兄貴の一言であたり一面が一瞬で静かになる。
眉済 俊之
唯一言えることといえば…
髪色や瞳の色くらいか?
阿蒜 寛太
に、似てないって…
一体どう言うことなのか
俺、さっぱり分かりません…
伊武 隼人
やはりこれは
前もって聞く方が無難では
ないでしょうか?
眉済 俊之
その前にちょっと待て
 

眉済 俊之
伊武、阿蒜
ここに呼び出したのは
他でもない。
阿蒜 寛太
…といいますと?
眉済 俊之
お前ら、夜桜に兄弟がいるとの話をしたことあるか?
 
それを聞いた伊武の兄貴が口を開く
 
伊武 隼人
俺も聞きはしたんですが
アイツは「いない」との
一点張りでした
眉済 俊之
いない…だと?
阿蒜 寛太
そ、それじゃ、ただ単に
苗字が一緒なだけってことですか?
 
その時、彼は眉間にシワをよせながらこう言った

伊武 隼人
いや…どうも引っかかることがある…
伊武 隼人
確かにアイツは
兄弟はいないって言い張ってたことは
事実だ。
眉済 俊之
ほう…
伊武 隼人
だが、その直後…

伊武 隼人
アイツは…不機嫌になって
「その話をアタシにするんじゃねぇ」
と吐き捨て、そそくさと
部屋から出ていった

阿蒜 寛太
えっ…
眉済 俊之
伊武、それは本当か?
伊武 隼人
…えぇ
伊武 隼人
それに本当にいないのでしたら
あんな態度取るはずがないでしょう
 

会話が進むにつれて段々大きくなる不穏な空気…
 
阿蒜 寛太
ちょ、ちょっと…
一旦この話やめませんか?
何だか俺…正直怖いです

その空気に耐えられなかったのだろう…
阿蒜の方に目を移すと、彼は少々身震いをしていた。

眉済 俊之
…まぁ、そうだな
もう一度だけ心美に聞いてみるか
伊武 隼人
えぇ…その方が正しいかと

そして彼女のいる部屋に入ろうとした時、ある人物が声を掛けてきた。


井上 月麦
あれ?こんなところで
一箇所に固まって一体何事でしょうか?
龍本 雅幸
それどころか
皆揃って顔色悪くしてんな…

その人物とは井上兄貴と龍本の兄貴。

眉済 俊之
あぁ、お前らか
伊武 隼人
龍本の兄貴、月麦…
阿蒜 寛太
あ…お二人とも
この不穏な空気から抜け出したい…
そう言うと、阿蒜は軽く井上の兄貴に泣きつく
井上 月麦
おうおう落ち着け阿蒜!笑
井上の兄貴は無邪気な笑みを浮かべわしゃわしゃと阿蒜の頭を撫でる
龍本 雅幸
しっかしまぁ…
ド偉いことになりましたね
伊武 隼人
えっ…龍本の兄貴、もう夜桜の
ことご存じなんですか?
井上 月麦
ちなみに俺も知ってます!
龍本 雅幸
あぁ…下の名前はまだ分からないが
苗字がアイツと一緒だったってな。
まぁ、兄弟かなんかじゃねぇか?
龍本 雅幸
詳細はよく分からんが
チラッと夜桜の妹?らしき子を見た
龍本 雅幸
なんつーか
結構か弱そうな子だったな
俺ももう少し若けりゃなぁ…
井上 月麦
ちょっと!龍本の兄貴!
ここでは言うべきじゃないでしょう笑
井上 月麦
まぁ俺ももあとでその子に
話しかけようと思いましてね!
井上 月麦
一目見て分かります!
どことなくあの子は
優しそうな雰囲気が漂ってますね♪
 
2人は頑張ってその場を和ませようとしているのか
子供のように楽しく話出す

眉済 俊之
…あぁそうだな
お前らのおかげで少し和んだ
気がするよ
阿蒜 寛太
(良かった…これでちょっとは安心できるーーー!!!✨)
 

これで安心できる……































そう思ってた…










伊武 隼人
…ん?





伊武の兄貴は自身の後ろから何者かの気配を感じ取った。






???
はっ…はっ…




走る音と共に聞こえる何者かの吐息…



伊武 隼人
…何だ?
龍本 雅幸
お?誰かこっちに向かって
走ってきてないか?

龍本の兄貴も気づき始める




???
はっ…はっ…!


段々と大きくなる、吐息と足音




伊武 隼人
…何かマズイ
井上 月麦
…何もなくそう思います
 

そこにいるほとんどの人が何らかの危険を察知する

伊武 隼人
眉済の兄貴、何かマズイです
一旦部屋にいるやつの所へ…
眉済 俊之
……
伊武 隼人
兄貴?
眉済 俊之
……ダメだな

眉済 俊之
もうアイツが向こうから見えている


眉済の兄貴は足音がする方へ指をさした…
 








そう…もうすでに遅かった…









???
はあっ…はっ…






その人物は息を切らしながら阿蒜達の前に現れた…









その人物の正体は…



























夜桜 光綺
夜桜 光綺
はあっ…はっ…はぁ…







獅子王組の女極道 夜桜 光綺


彼女の顔は酷く青ざめていた…

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