第4話

#3 会いたいけど会えない🌙* :゚
79
2026/02/07 14:43 更新
あなた
📱《今、帰り着きました。
先程はありがとうございました。》
自宅に帰り着き、本当に連絡をして良いのか迷ったけど私は思いきって風磨くんにLINEを送ってみた。
あなた
(本当に送っちゃった💦💦)
すると、すぐに既読になり返事が返ってきた。

kkc
kkc
📱《本当に5分じゃん。了解。》
あなた
わっっ!本当に本当に返信来た💦💦
思わず叫んでスマホを落としてしまった。

スマホを拾いながらグイッと自分の頬を引っ張ってみる。
あなた
痛い…
てことは夢じゃない…!///

スマホを胸に当てベッドに飛び込む。

そして、風磨くんから受け取ったバックステージパスをかざして改めて見てみた。
あなた
こんなとんでもない魔法のパスがこの世に存在するんだなぁ…🎫✨

📱ピピピピピピ…


あなた
ん?電話…皐月からだ…
はい、もしもし
橋本皐月
橋本皐月
あなた、お疲れ〜!
TAMのLIVEレポ見た?
あなた
あっえーと今帰ってきて…
まだ見てない( ˊᵕˋ ;)
橋本皐月
橋本皐月
なーんだ、あなたのことだからもうチェック済みかと思った!
まぁ参戦できてない組としては複雑ではあるよね~
あなた
複雑…うん、そだね…
橋本皐月
橋本皐月
なに、どした?
何かあった??
あなた
いやいや、何もないよ💦
あー皐月とLIVE行きたかったなぁ~って思って💦
橋本皐月
橋本皐月
私もだよ~!💦
次こそはチケット当たりますように🙏✨️
あーー早く生の将生に会いたいよ~🩷💦

電話口でキャッキャと無邪気に話す皐月の声を聞いているとなんだか現実に戻されていく感覚に陥った。

たまたま出くわしたファンと話して関係者用のパスをくれて、それは風磨くんにとってはただのファンとの交流であって他意は無い…。
チケットが取れなかったと嘆いた私への彼の優しさだ。

そして私みたいな状況のsecondzの人達はきっと沢山いる。現に一番近い存在の皐月がそうだ。
風磨くんに渡された時も思ったけど“自分だけそんな良い思いするの?”という罪悪感が再び芽生えてきた。

あなた
ありがとう、皐月。
橋本皐月
橋本皐月
ん?何が?
あなた
皐月と話したおかげで人として大事なことに気付けたよ!
橋本皐月
橋本皐月
え?何よ急に(笑)
いつものようにtimeleszの話で騒いだだけだけど…
あなた
ううん、それが良かったの!
本当にありがとう。
橋本皐月
橋本皐月
まぁよく分かんないけどあんたの為になったなら良かったよ。



こうして私はある決意を固めた。



~翌日~


目覚めると風磨くんからLINEが届いていた。


kkc
kkc
📱《おはよー。昨日はどうも。
今日の件だけど、15時半頃に会場裏の関係者出入口付近においで。ウチのマネージャーの鈴木ってやつがそこで待ってるから。俺の親戚の子が来るって話は通してる。MAP送っとくね。》
あなた
風磨くん…

私はうっとりとそのLINEを見つめたがパンッと自分で自分の頬に平手打ちした。

あなた
ダメダメ…舞い上がるな自分…

そして、ベッドから出ると顔を洗い、いつも通りのメイクを施し、風磨くんに言われた通りの華美じゃない服に袖を通した。
決して自分が“secondz”であることがバレないように。

15:20~
自宅を出て5分で会場周辺に到着。
すごい人だかりに圧倒されつつ、MAPを見ながらひたすら歩を進めた。

あなた
(くぅ~!みんな可愛い!楽しそう!!)


会場周辺は昼公演が終わり興奮冷めやらぬ様子で家路に着くファンと夜公演に参戦するファンのみんなで溢れている。
推しのメンカラでお洒落している子たちが可愛くて可愛くて…とにかく羨ましかった。

テラ推しの私は本当だったら水色で身を包んでいたはずだったが…今日は黒い服を着ている。

あなた
まっ今日はめめ担ということで


一人で自嘲気味にボソっと呟くと、いつの間にかほとんど人気のない会場裏に到着していた。


あなた
えーと、「関係者入口って書いてある横の扉を開けて中に入るように」…か。


風磨くんのLINEに書いてあったドアを見つけると、周りに誰も居ないことを確認して私はそーっと扉を開けた。
恐る恐る中を覗くと…長身のイケメンが腕を組み、壁にもたれかかって立っていた。
首にはネックストラップを下げ“入館許可証”と印字されているIDケースが吊り下がっている。

そして、そのイケメンは扉が開いたことに気付きバッとこちらを見てきた。

あなた
あ、あの…こんにちは……
あなたの名字と申しますが…
TAMマネージャー 鈴木
TAMマネージャー 鈴木
こんにちは!初めまして!
ささっ、どうぞ中に入ってください!!

長身スーツイケメン男子は私を中に通すとガチャンとすぐにドアを閉めた。
そりゃそうだ、中に国宝級アイドル達が居るんだもんね。

TAMマネージャー 鈴木
TAMマネージャー 鈴木
どうも、timeleszのマネージャーをしております鈴木です。
菊池から話を聞いております。遠いご親戚とやらで。
あなた
あっ、はい!そうです!
TAMマネージャー 鈴木
TAMマネージャー 鈴木
なるほど、、にしても今日はえらくカッチリとした服装ですね……

そう、私は華美に見えないように日頃会社に着ていくようなオフィスカジュアルなスーツを着て来ていた。
あなた
もし誰かに見られた時にこの格好だったらスタッフですって言い訳ができると思いまして…
TAMマネージャー 鈴木
TAMマネージャー 鈴木
あっなるほど!そーいうことか!
もっとライブ仕様の派手な感じで来るのかと思ってたので内心ヒヤヒヤしてたんですよ💦
お気遣いいただきありがとうございます。
あなた
いえいえ、とんでもないです!
私が自発的にしたわけではなく、風磨くんから言われてこの格好で来たんです!
さすがですよね…ちゃんと周りのことも考えてて…///
TAMマネージャー 鈴木
TAMマネージャー 鈴木
・・・・・
あなた
鈴木さん…?
TAMマネージャー 鈴木
TAMマネージャー 鈴木
あっごめんなさい💦
ちょっとフリーズしちゃいました💦
早速だけど菊池からもらったパス持ってます?
あなた
はい…持ってきました

私はバッグから取り出すと鈴木さんに両手で差し出した。


TAMマネージャー 鈴木
TAMマネージャー 鈴木
そしたらこれをケースに入れてネックストラップで首にかけてもらえます?
はい、これ持ってきたんで。

鈴木さんは自分がしているのと同じようにケースにパスを入れて首からかけるよう促してくる。

あなた
あの…私やっぱりやめておきます。
なのでこのバッグステージパスはお返しします。
風磨くんにもよろしくお伝えください。。
TAMマネージャー 鈴木
TAMマネージャー 鈴木
え?えっなんで…!?
僕、菊池から君を案内して連れてくるよう言われてるんですが…
あなた
体調不良と伝えていただけますか??
TAMマネージャー 鈴木
TAMマネージャー 鈴木
親戚なんだしちょっと楽屋覗いて直接言うとか…?
あなた
いえ、鈴木さんからお伝えいただけると助かります💦
安心してください!今日のことは誰にも言ってませんし、今後も絶対に口外しませんので!
遠い親戚なのにお気遣いいただきありがとうございましたとお伝えください🙇‍♀️


私は鈴木さんに深々と頭を下げると元来た道を急ぎ足で戻った。
後ろから鈴木さんが呼んでくれてるのも分かってたけど振り返ってもう一度だけ会釈をして、その後は脇目も振らず自宅に帰った。


あなた
(これでいい、これでいいんだ…)

trns
trns
お疲れ~
sntk
sntk
お疲れ様です
mtsm
mtsm
さぁ少し休んで整えて夜公演も張りきって行こー!
trns
trns
だな!
ってかあれ?風磨は?
sntk
sntk
風磨さんならライブ終わってソッコーで別の楽屋に来いって鈴木さんに呼ばれてましたよ。
trns
trns
へぇ〜なんで?
sntk
sntk
さぁ?理由まではちょっと分かんないっす
mtsm
mtsm
何か打ち合わせじゃない?
trns
trns
ふーん
kkc
kkc
はぁ?帰った??
TAMマネージャー 鈴木
TAMマネージャー 鈴木
うん、、引き止めたんだけど…申し訳ない。

風磨はスマホを確認したがあなたからの返信は何も来ていなかった。

朝、自分が送ったLINEにリアクションが付いているだけ。

風磨は溜め息をつきながらドカッとその場の椅子に腰掛けた。
TAMマネージャー 鈴木
TAMマネージャー 鈴木
なぁ、風磨。
kkc
kkc
ん?
TAMマネージャー 鈴木
TAMマネージャー 鈴木
あの子、本当に親戚か?
kkc
kkc
は?なんで?笑
TAMマネージャー 鈴木
TAMマネージャー 鈴木
なんとなく…
kkc
kkc
もし違うって言ったら?
TAMマネージャー 鈴木
TAMマネージャー 鈴木
もし違うなら…大問題だぞ。
kkc
kkc
………
TAMマネージャー 鈴木
TAMマネージャー 鈴木
お前の好きそうな雰囲気だったからな
kkc
kkc
何それ、俺の好み分かってんの?笑
TAMマネージャー 鈴木
TAMマネージャー 鈴木
何年一緒に居ると思ってんだ?
kkc
kkc
………
TAMマネージャー 鈴木
TAMマネージャー 鈴木
あの子、周りにバレて迷惑かけないようにってスーツで来てたぞ。
kkc
kkc
え?スーツ!?
やば、めっちゃオモロいじゃん(笑)
TAMマネージャー 鈴木
TAMマネージャー 鈴木
お前が派手な格好で来るなって言ってたんだろ?
もしかしたらメンバー全員に会えるかもしれないのに地味な格好で来てたよ。
あんな真面目な良い子をからかうとバチが当たるからな本当に。
kkc
kkc
からかってねーし。
俺ちょっとその辺探してくるわ…

そう言って風磨が立ち上がったが、それを無言で鈴木が制止した。
kkc
kkc
はぁ…分かったよ。正直に話す。

風磨は事の経緯を鈴木に話した。

二人だけの秘密でメンバーには話さないことも約束した。


TAMマネージャー 鈴木
TAMマネージャー 鈴木
あなたの名字さんには俺から連絡入れとくから連絡先教えて。
kkc
kkc
はっなんで!?
TAMマネージャー 鈴木
TAMマネージャー 鈴木
今後のことを話しておかないと。
彼女のことだから大丈夫だと思うけど念には念を。
今はグループが一番大事な時だからな。
kkc
kkc
はぁ…分かりましたよ…
とりあえず次の公演の準備してくる…
ご迷惑おかけしました。失礼します。

風磨はそう言って本当に反省しているのかしていないのか分からないお辞儀をして楽屋を出ていった。


TAMマネージャー 鈴木
TAMマネージャー 鈴木
ったく反省してんのかねー本当に。
さて、どうすっかなー。


鈴木は風磨から教えてもらったあなたの連絡先を目を細めて見つめた。




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