〜日常国滞在
総統との信頼度を高めよ〜
この国に来てから何日か経つが、
今だに"同盟"の申請を進められずにいた
あれから総統には一度も会っていない
それに、総統室にも入らせてもらえなくなった
そのせいでリアム達は頭を抱えていた
そんなことを考えながら歩いていたリアムは、
前から歩いて来た人に気づかなかった
ドン
結局ぶつかってしまい、
リアムは後ろに倒れて床に尻もちをつく
ぶつかった相手を見て、リアムは驚いた
何故ならその人は自分を悩ませている人だったからだ
そう、リアムとぶつかった相手というのは…
この国の総統でもある"ぺいんと"だった
彼は一体何を思ったのか、
突然リアムに自身の右手を差し出した
出された手のままにリアムは自身の手を重ねると
ぺいんとは手を握って引き、リアムを立たせた
つまり…尻もちついたリアムに
ぺいんとは自ら手を差し出して"助けた"のだ
そう言い残し、ぺいんとは去って行った
リアムはたった今、起きたことが信じられず…
呆然としながら彼の背中を目で追った
ぺいんと視点
自分でもよく分からなかったんだ
なんで…あいつを助けたのか
どうして、信頼されるような行動を取ったのか
不思議とあいつにはーーー否、
"あいつら"にはそんな態度を取ってしまう
こんなこと今まで1回もなかった
でも、体が勝手に動いたんだ
そうしなくてはいけないような気がして
あの時…後悔するような気がしたんだ
こんな気持ち、初めてだよ
分からない、自分の考えてることが
あんな行動を取った自分が…
でも少しだけ分かる気がするんだ
俺は…きっと……
"あいつらとこれからも会う気がする"
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。