～ 💜 Side ～

呼び掛ける様に続けた言葉。

なべと俺は外に居るけど、まぁ、一旦様子見。

 … ？あれ、出て来なくね？ … 待って、待って … ？？

思っていた事が被ったから、また絶望に突き落とされる。

うわぁ、、。俺らがなんか動かないといけないってこと？

 … 、ひかると別行動になるのかなぁ … 。

そう連絡すると各々が反応しだす、大丈夫か、だとか。

 …… 、心配したいのはこっちだよ … 。だって、そっちが閉じ込められてるんでしょ？

ポケットから、スマホを取り出そうとしたなべを見てそう言えば、こくり、と簡単に相槌された。

 … 、大丈夫、これくらい大丈夫。だって、ひかるとかの方が危ないから。

今、動かないでどうするの？全員居なくなった時に動いたとしても、意味がないんだから。

ひかるを守れないでどうする？ひかるを、大好きなひかるを。

現在、精一杯出来る事は ＿＿＿ 

数秒悩んだのか、遅めの返信に思わず有難うと言いたくなる。

学校に居ない俺らが、証拠無しに警察に言ったとしても対処してくれないだろう。

だからこそ、死んでしまった人の写真を見せる事により、
少しは対処してくれる様にさせたかったのだ。

 … し、この後の写真は佐久間に任せるとして、俺らがしないといけないことは。

急に俺が大声を出したから、困惑しながらもそう返すなべ。

そんなの関係なしに、なべの手を無理矢理掴み、掴んでいない手で交番方面を指差す。

なんで！？みたいな顔をするなべ。

心底嫌そうな顔を見せたなべを無視し、手を離してガンダし始めると。

後ろから近付いて来る足音が聞こえる。やっぱり、俺が走り始めたら着いて来るんだよ。

そんな状況ではないが、まんまと俺にハマっているなべに心で笑ってしまった。

～ 💛 Side ～

スマホの画面を見ながら恋人の名前を呼ぶと、心配そうに顔を見て来る目黒が居た。

恋人が急に連絡が絶ってしまったし、
俺も同じ状況だが、何時でも死ぬ環境に立っている人だと思えない。

そんなぐらいに、落ち着いている目黒。本当に俺の心配をしている暇じゃない。

苦笑いしながらそう返すと、目黒も苦笑いを零した。

こんな状況、苦笑いを零すしかないだろう、な。

そう言えば、座っていたところから立ち上がり、何時でも動ける体制を取る。

どう動くか、と疑問に思った目黒が此方を見ながら俺に問う。

＿＿俺を頼ってくれている。この場に、俺しか頼る人が居ないから。

元々 緊張でしか無かった此処が、もっと緊張させに来る。

ラウールを探す、と言われ、腑に落ちない様子。はぁ、と溜息をつくと、軽めに睨みつけられた。

そんな彼を真正面で見詰めて、俺は口を開く。

俺が決意を見せたから、自分も積極的に行かないと、と思ったんだろう。

ありがとう、と心の中で呟く。感謝してもしきれない。

だから、校門に言ってみよう、と 言葉を繋げようとした。


 … けど、それは一つの音に遮られた。

奇跡的に俺が発言しようとした場面と被り、申し訳なさそうに眉を下げ、直ぐに電話に出た。

 … 、この状況だし、学校内の友達なんだろうな。

電話越しに聞こえるその声は、少し聞いた事があった。

＿＿ああ、もっとめんどい事になりそうだ。

俺は、少し怒っていそうな声色になった彼を、抑える為に近付いた。