第22話

一話➕
185
2025/11/05 12:34 更新
(トクン、トクン……)

心臓の音が、どこか遠くで響いていた。
白い霧の中、足元が霞んで何も見えない。


カナデ
……ここ、どこ………?


声を出した途端、空気が震えた。
淡い光の粒がふわりと漂い、やがて形を成していく。



小さな家。腐った畳。
雨漏りの音。
そこに──二人の少女がいた。

カナデ
(………誰?)
一人は黒髪の子。もう一人は、白髪で自分に似た顔をしている。
二人は寄り添って、薄い布団の中で手を握りあっていた。
白髪の少女
ねぇ、__。夢の話してあげる
黒髪の少女
ゆめ………?
──その声を聞いた瞬間、胸が締め付けられた。
懐かしいような、悲しいような………説明できない痛みが走る。

白髪の少女
お花がいっぱい咲いてて、痛いことも怖いこともないところに行こう
黒髪の少女
……そこに、いけるの?
白髪の少女
うん。きっと、行けるよ

カナデ
……それ………
その約束の言葉を聞いた瞬間、霞の中の景色が歪む。
畳が焦げ、炎が上がり、誰かの悲鳴が響いた。
黒髪の少女
おねえちゃん!!
白髪の少女
だいじょうぶ……だいじょうぶだから………

カナデ
……!!
声を出そうとするけれど、息が喉に詰まったまま外に流れていく。
ただ、焼けた匂いと涙の味だけが胸に残った。


(……カナデ……)

誰かが自分の名を呼んだ。
その瞬間、霞が音を立てて崩れる。


カナデ
っ………!
勢いよく起き上がる。
息が乱れて、手のひらが汗で濡れていた。

カナデ
夢……?
部屋は静かで、柔らかな香の匂いが漂っている。
障子の向こう、月の光が白く差し込んでいた。
カナデ
どうして……あんな夢を………
胸の奥がざわつく。
知らないはずの場所。知らないはずの少女。

なのに、涙が止まらなかった。
カナデ
……誰……なの……
静かな夜。

遠くで雨が降り出す音がした。







なのです!投票ありがとうございます!! 
今公開している、十話の内容までは ➕ を追加で書かせていただきます(՞ . .՞)✨十一話の公開がだいぶ遅れますが、➕をお楽しみいただけると幸いです(*´︶`*)❤︎
鬼の血と隊士の魂、一話➕お読みいただきありがとうございました!

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