第4話

物語は始まったばかり
6
2025/10/13 23:44 更新
しばらく経った頃、お母さんの病態が悪化した。
もう助かる兆しはほぼ無いそうだ。
私はふと、もう手入れもされてない、汚くてボロい
平屋の中に有るたった一つの夫婦写真に目をやる。
柊湊斗
……
見えてなくても、そこに愛する母親の笑顔と、もう見ることの出来ない父親の笑顔がある気がする。
柊湊斗
(お父さん……)
父は私が産まれる前に事故で亡くなった。理由はよく知らないが、火災……?だったかな。
それに父は大手企業の社長で相当稼いで居たようで、母の洋服はいつも手触りが良かった。だけど、家にお金は残って無い。母が酒につぎ込んだからだ。
そのせいで母は病院行き。笑っちゃいますね。
柊湊斗
(お母さん……)
父は大層見た目が良かったそうで、お母さんはいつも馴れ初めの話をしてきました。でもその度に最後は泣き崩れるからちょっと困ってましたね。でも、良く私はお父さんに似てるって言われると嬉しかったです。
父になりきれない欠陥品でしたけど。
柊湊斗
(眼さえあれば、最後、お母さんがお父さん会った気持ちになれる……?)
それが幼い私にとって、最高の決断だと思ったのです。母に最後、父として、完璧な姿で会いに行くと。
柊湊斗
あ!妖霊山!
昔今は亡き祖母とした会話を思い出しました。
祖母
なぁ、湊斗知ってる?
柊湊斗
んー?
祖母
この村の妖霊山の奥深くに、なんでも願いを叶えてくれる悪魔が居るんだよ。
柊湊斗
悪魔?
祖母
そう、この世には7人の悪魔が居てね。その1人がこの村の山に居るんだよ。
柊湊斗
本当に何でも叶えてくれるの?
祖母
勿論さ。でも、あんまり大きなお願いは、大きな代償が必要に成るからね。
気をつけるんだよ。
柊湊斗
……悪魔って悪い人じゃ無いの?
祖母
悪い悪魔もいるけれどちゃんと規則を守れば有難い神様だよ。
柊湊斗
……
祖母
本当に大切な人の為にお願い事をするんだよ。良いかい?
柊湊斗
……うん
柊湊斗
(本当に大切な人……)
柊湊斗
(うん!お母さんの為に悪魔に会いに行こう!)

プリ小説オーディオドラマ