第26話

三章偽りの兄弟
18
2020/08/24 14:56
写真を見て不安そうな樹木に不死は話しかける。
不死
行くぞ樹木…
樹木
ううん…わかったよ〜…
少し不安そうに返事をして不死の後に続き生者国へと向かった。
火車
大丈夫か樹木は…
狂人
分からない…しかし…彼らなら…
火車
そうだな…
「生者の国で何も無ければいいけど」 

とファーストが呟いた。

しばらく歩いて血を飲み生者の国へとはいる。
不死
あらかじめ言っておくぞ…俺たちは死者だ…ここは生者の国…何かあれば命はないからな…
樹木
わっ分かったよ…
チル
そんな気を落とさなくても我々がいますから平気ですよ…それに停戦協定を結んでいます…それでどうにか何ますからどうぞ…御案内します。
キヤ
着いてきな!
そう言われてしばらく生者の国を歩いた。あえて生者を避けて通り無事に難なく着いた。
樹木
僕戦争以外で初めて来た…生者の国ってこんなに綺麗なんだね〜…
キヤ
そうだろ…見覚えあるか?ここはお前が育っているかもしれない場所付近なんだが…
樹木
えっえっえっと…
チル
着きました…ここです…
そうチルが案内したのはボロボロで廃れて壊されていた建物だった。ガラスは割れていて所々汚いそれどころか血が飛び散っている。
不死
これは…どういう事だ?
チル
見ての通りここは襲われたんです…死者によって家族は虐殺され生き残った生者が死んだ彼女です。
樹木
そんな…ここが僕の家…僕の帰るべき家族…本当の…
その変わり果てた状態にショックを受けていた。自分が殺した彼女の言葉を思い出して後悔する。
不死
おい…樹木…
不死が声を掛けようとするが首を振られてチルに止められる。
チル
彼は知らなければなりません…この現実を…そこには我々が踏み入れてはいけない領域なのです。
そう言われて心配そうに樹木を見た不死は樹木が中に入っていくのを黙ってみるしか無かった。不死は許可を取りベラドンナの花束を使い樹木の様子を見ていた。
樹木
ここがそうなのかな…
中に入ると血だらけの中で資料を見つけた。
(これしか見つけられませんでした。)と記載されていて大方生者達がみつけてくれたのだろう。
樹木
見てみよう…これは日記?
数枚の日記と言える紙が集められていて
【親愛なる○○○○へ】と書かれていた。
樹木
名前が黒い塗りつぶされていて分からない…
見てみると家族と弟らしい人物が生まれた写真がある。(〇月○時に誕生し名前は○○○○!)

樹木
弟には家族の証として家族でおそろいのペンダントを贈ります…ってこれ僕のとおなじ…って事は僕はそうなのかな…
恐る恐る最後の血が着いた日記を見ると…

奴らが来た!醜いものたちだ彼らは私達を殺す。忌々しい奴らのせいで父も母も皆殺された…そして弟は私を庇って首を落とされて死んだ…許さない…必ず仇を…しかし弟の遺体は連れ去られてしまった…もう私に未練はない…

しかし樹木という死者のことを聞いた。ペンダントを付けていて正しく弟だ…必ずまた会いたい…それから…今誰かが訪れた…その者は…

日記はここまでで終わっていた。日記の裏に幸せそうな血が着いた写真達があり樹木は涙を流した。
樹木
そうだったんだ…家族だったんだ…本当の…なのに…僕は…殺して…ごめんなさい…うわあああああああああああぁぁぁ
ないはずなのに涙が止まらず叫んでいた様子を不死は黙って影で見守るしか無かった。

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