君は、俺の家に来て言ったんだ
梅雨時、ずぶ濡れのまんま俺の部屋の前で泣いてた。
夏が始まったばかりと言うのに、君は酷く震えていたんだ。そんな話で始まる、あの夏の日の記憶だ。
そんな君に、俺は言ったんだ。
あの写真も、あの日記も。
人殺しと、ダメ人間の君と僕の旅だ。
そして、りうら達は逃げ出したんだ。この狭い狭いこの世界から。家族も、クラスの奴らも何もかも捨てて、君と二人で、遠い遠い誰もいない場所で二人で死のうよ?
もうこの世界に価値などないよ。
結局、俺ら誰にも愛されたことなどなかったんだ。そんな嫌な共通点で、りうら達は簡単に信じあってきた。ほとけっちの手を握った時、微かな震えも既になくなっていて。誰にも縛られないで二人、線路の上を歩いた。
(ドンッ)
金を盗んで、二人で逃げて、どこにも行ける気がしたんだ。今更怖いものはりうら達にはなかったんだ!
額の汗も、落ちたメガネも。
あてもなくさまよう蝉の群れに
水も無くなり揺れ出す視界に
迫り狂う鬼達の怒号に
バカみたいにはしゃぎあい
ふと君は、ナイフをとった。
─死ぬのは、僕一人でいいよ…!─
そして君は首を切った。まるで何かの映画のワンシーンだ。白昼夢を見ている気がした。気づけばりうらは捕まって。君がどこにも見つからなくって、君だけがどこにもいなくって…
そして時は過ぎていった。ただ暑い暑い日が過ぎてった。家族もクラスの奴らもいるのに、何故か君だけはどこにもいない…あの夏の日を思い出す。俺は、今も、今でも歌ってる。君をずっと探しているんだ。ほとけっちに、言いたいことがあるんだ…!九月の終わりにくしゃみして、六月の匂いを繰り返す。
君の笑顔は、君の無邪気さは、頭の中を飽和している。
誰も何も悪くないよ
ほとけっちは、何も悪くないから…
リスナー
お2人は、"前世"ってあると思いますか…?
来世も、その先も、俺らはずぅーっと一緒だよ!!


















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。