放課後、ランドセルを背負ったまま、商店街の小さな駄菓子屋さんに寄り道した。
ドアを開けると、カラン、と鈴の音が響く。
甘いお菓子の匂いに包まれて、なんだか胸がふわっと軽くなる。
「うわぁ、これ懐かしい!」
コナン君が嬉しそうにラムネを手に取る。
その姿に、思わず笑ってしまう。
「コナン君、子どもっぽい~」
「し、仕方ないだろ! 見た目は子どもなんだから!」
ぷくっと頬をふくらませる姿が、可愛くてたまらない。
灰原さんはといえば、冷静な顔をしながらも、チョコ菓子をじっと見つめている。
「……これ、期間限定の味みたいね。」
「買えばいいじゃん!」
そう言うと、灰原さんは一瞬きょとんとして、それから少しだけ頬を赤くした。
「べ、別に欲しいなんて言ってないわ。」
でも、その手にはしっかりチョコ菓子が握られている。
店を出ると、夕日がオレンジ色に商店街を染めていた。
ベンチに並んで座り、お菓子を分け合う。
「やっぱりこういうの、美味しいね。」
「ふふ、あなたの顔、すごく幸せそうよ。」
灰原さんにそう言われて、思わず笑ってしまう。
コナン君がラムネをカラカラ鳴らしながら言った。
「こうしてるとさ、ちょっと普通の小学生みたいだな。」
「え、ちょっとじゃなくて、ちゃんと小学生だよ!」
そう突っ込むと、三人で声を出して笑った。
今日一日、怖いことも不安なことも忘れて、ただ楽しく笑っていられる。
そんな時間が、何よりも大切に思えた。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。