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第1話

全部熱のせい 前編
4,282
2022/11/12 09:51 更新


いつもの朝。

みんなが起きてくる前に急いで朝食の準備に取りかかる。

だいぶ慣れてきたとはいえ7人分のご飯を作るだけでも結構な重労働で。

卵サンドの予定だけど、どんだけ茹で卵の殻剥かないといけないのよコレ。



古町有起哉
あなた!おはよーー!
小野寺宝
おはよ〜
成瀬大二郎
おはようございます、あなたさん


ちょうどサラダにするレタスをちぎっていたところに、みんなが続々とダイニングに入ってきた。
あなた
おはよ!ちょっと待ってねー、もう少しで出来るから…、あ、佐神くんもおはよ


遅れてやって来た佐神くんに声をかけると、俯いていた顔を少しだけ上げてこちらを見た。


なんか、
あなた
佐神くん、顔色悪くない?
佐神弾
あ?


心なしか不機嫌そうに眉を顰めて気怠げに席に着く。
(まあこれはいつものことだけど)
佐神弾
別に悪くねえし
あなた
いやいやいや、なんかその“悪くねえし…”って言い方もいつもより覇気がないっていうか?ツンの鋭さが弱いというか……
成瀬大二郎
確かに、言われてみれば起きてきた時からいつもより増し増しでテンション低いような…
あなた
ほらなるくんも言ってるじゃん!…もしかして、熱あるんじゃない?


右手を上げて佐神くんのおでこに触れようとすると、ものすごい速さでかわされる。
佐神弾
やめろ、触んな
古町有起哉
もー弾照れんなってー!あなたに熱測ってもらえんだぞ!しかも体温計じゃなくて手だぞ手!俺もやってもらいてー!!
佐神弾
照れてねえし、いらねえから


有起哉くんのからかいに面倒臭そうに眉を顰めるそばで、竜星くんがスンスンと鼻先を佐神くんに向ける。


桧山竜星
弾から、だるさと疲労感の匂いが…
小野寺宝
お〜、竜星がそう言うなら、ほんまに熱あるんちゃう?
久留島巧
弾、ツラい…



他のメンバーも心配そうに様子を伺う。

佐神弾
だから、何ともねえって………っっ!


佐神くんがみんなに目を向けた隙にサッとおでこに手を当てると、驚いたように勢いよく私を見上げた。

佐神弾
なっ……
あなた
やっぱり!熱、あるじゃん!!



体温計なんか使わなくても分かるくらい熱い。
微熱なんてもんじゃない。


あなた
座ってるだけでも絶対しんどいよこれ!言ってくれたら良かったのに



ずいと顔を近付けると、気まずそうに瞳を揺らしながら目を逸らされる。


佐神弾
別に、しんどくねえし…
あなた
とにかく!今日は佐神くんはレッスンお休みしてしっかり休むこと!いいね?
一之瀬栄治
あ、じゃあ香坂さんやトレーナーさん達には僕から伝えておきます
あなた
ありがとう。お願いしていい?
古町有起哉
よっ!大人と交渉する係〜!
一之瀬栄治
それ交渉って言わないからね
古町有起哉
ハハ!そか!



2人のやり取りを聞きながら、急いでみんなの朝食を出そうとお皿を手に取ると、それを制止するようになるくんが私の隣に立った。


成瀬大二郎
後のことは自分たちでやるので。あなたさんは弾のこと、よろしくお願いします
あなた
ありがとう、なるくん。助かる



なるくんがいつもの優しい顔で、柔らかく微笑む。

やっぱり癒し系だなー、なるくん。


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