第90話

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2026/03/25 02:28 更新





ハリーside









ルーピン先生がそれを言った途端、あなたは床に倒れ込んだ



ハーマイオニー・グレンジャー
あなた!?
ハーマイオニー・グレンジャー
何を…!
リーマス・ルーピン
安心してくれ。少し…眠っただけだ。安心していい。害はないし、そのうち起きるはずだよ
リーマス・ルーピン
ただ…




ルーピン先生が何かを言い終える前に、あなたはハーマイオニーに抱えられながら目覚めた。


ゆっくりと開く、赤色の目。その目がいつもと違うことに、ハリーはすぐには気づけなかった。



ハーマイオニー・グレンジャー
あなた…?




でも、ハーマイオニーは気づいた。自分の手の中にいる少女が、自分の知るあなた・シアーズでないことに。



"彼女"はハーマイオニーを押し返して離れると、立ち上がってパッと腕のホコリを払った。と同時に、部屋のホコリも全て舞い上がった。


それを見て、少し面倒くさそうにパチンと指を鳴らすと、ホコリは全てどこかへ行ってしまった



"久しぶりだと弁がバカになるのか…やっぱり慣れって大事なんだな……ついでにこれも改善の余地ありだ。意識の主導権は握れてても抵抗されるなんて思わなかった……もっとぼくの意識を強めるべき?いや、でもそんなことをしたら…"
リーマス・ルーピン
あなた…か?
あぁそうだった。久しぶり、リーマス……シリウス。
リーマス・ルーピン
よかった。まさかこんなぶっつけ本番でこのカードをきることになるとは思わなかったよ
奇遇だね。ぼくもだよ




それは秋じゃなかった。いや、姿形は明らかにあなただ。赤い目、黒い髪、全ての要素があなたそのものだ。でも違う。何か根本的な、本質的なものがあなたではなかった。



"彼女"がふいっと指を動かすと、ルーピン先生の手からあなたの杖が飛び出して、収まった。



それで?こんな無茶してまでぼくを出したんだから、ただこの裏切り者を殺すだけじゃないんでしょ?




"彼女"はスっと杖をブラックに向ける


その瞳は、瞳の色とは対照的に冷たく、鋭い眼光はいつもの彼女を1ミリも感じさせなかった



シリウス・ブラック
リーマス、これはどういうことだ
なんであなたがここにいる!
リーマス・ルーピン
シリウス、それを話せば長くなる。今はあなたじゃなく君の話をするべきだ
ぼくは別に構わないよ。でも、きみの話を聞かせてくれないなら、ぼくは今ここでリリーとジェームズの恨みを晴らすけど
リーマス・ルーピン
あなた、それは誤解だ。シリウスはヴォルデモートと繋がってなんかいないし、あの人ピーターを殺してもいない
……聞こう。それからでも遅くはないだろうし
リーマス・ルーピン
ありがとう




"彼女"はブラックから視線と杖先を離さないまま、先生に話すように合図した


ルーピンは少し複雑そうな顔をしたが、そっと話始めようとした



ハーマイオニー・グレンジャー
なんてことなの!




ハーマイオニーが叫んだ。ハリーもロンも状況がどうなっているのか分からない中で、ハーマイオニーだけが現実を理解し、自分の持ち合わせる情報で仮説をくみ上げた



ハーマイオニー・グレンジャー
先生は__先生は__
リーマス・ルーピン
…ハーマイオニー__
ハーマイオニー・グレンジャー
__その人とグルなんだわ!
リーマス・ルーピン
ハーマイオニー、落ち着きなさい__
ハーマイオニー・グレンジャー
私、誰にも言わなかったのに!
先生のために、私、隠していたのに__
リーマス・ルーピン
ハーマイオニー、話を聞いてくれ。頼むから!説明するから__




ハリーはハーマイオニーの言っていることを理解して、体が震えるのを感じた。恐怖からではなく、怒りからだった



ハリー・ポッター
僕は先生を信じてた
それなのに、先生はずっとブラックの友達だったんだ!
リーマス・ルーピン
それは違う。この十二年間、わたしはシリウスの友ではなかった。しかし、いまはそうだ……説明させてくれ……
ハーマイオニー・グレンジャー
だめよ!




ハーマイオニーはハリーに向かって叫んだ


そして、決意のみなぎる表情で叫んだ



ハーマイオニー・グレンジャー
ハリー、だまされないで。この人はブラックが城に入る手引きをしてたのよ。この人もあなたの死を願ってるんだわ
ハーマイオニー・グレンジャー
__このひと、『狼人間』なのよ!




瞬間、ゴゥッと風が部屋に吹き荒れた。


それがどこからのものであるかはすぐにわかった。発生源である人間だけが、話し始めたからだ



ハーマイオニー、シアーズの行動を見る限り君は賢い魔女に見えたんだけど……ぼくの見当違いだったみたいだ
狼人間だから?反人狼法が制定された世の中だからって、きみまで彼をそういう風に見るとは思わなかった。幻滅だよ
たとえリーマスが狼人間であろうが、それは彼がハリーの死を願ってる理由にもシリウスの仲間である理由にもならない。偏見を煮つめたようなその思想は、今すぐ捨て去るべきだ
加えて、ぼくはあんまりここに長居はしたくない。だから今すぐにでもリーマスが話したいことを聞いてしまいたいんだけど?




ブラックを見たあの瞳と同じ、冷たい声。燃えるような赤い瞳。それはハリーらを黙らせるには十分すぎるものだった



リーマス・ルーピン
はぁ……わたしにわけを話させてくれれば、全員にちゃんと説明するよ。ほら__




ルーピンはハリー、ロン、ハーマイオニーにそれぞれの杖を投げ渡した。


ハリーは呆気にとられて自分の杖を受け取った



そしてルーピンは自分の杖をベルトに挟み込むと、"彼女"を見た。


"彼女"は1度目を少し伏せてから、杖を下ろしてローブの中にしまい込んだ



リーマス・ルーピン
君たちには武器がある。わたしたちは丸腰だ。聞いてくれるかい?




ハリー達はそっと目配せをしあったあと、"彼女"に目を向ける。そしてルーピンに視線を戻した



ルーピンは驚くべき真実を語った。


本当はスパイになりハリーの両親を殺したのはピーター・ぺティグリューだったこと。彼がまだ生きていること。


自身が人狼であること。そのことがジェームズ達にバレてしまったこと。それが理由で、優しい友達は『動物もどきアニメーガス』になったこと。忍びの地図を作ったこと。


それから、スネイプがシリウスの悪戯で自分が狼人間であることを知ってしまったこと。



ハリー・ポッター
だからスネイプはあなたが嫌いなんだ
セブルス・スネイプ
その通り




セブルス・スネイプが、「透明マント」を脱ぎ捨て、杖をピタリとルーピンに向けてたっていた。









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