第20話

白い鎹鴉
190
2020/11/21 20:45 更新
そんなこんなであっという間に選別は終了した。
選別の合格者は、自分を含めてたったの6人
だった。そのうちの1人はさっさと藤襲山を
下りてしまったらしい。
あなたは改めて選別の難易度を思い知り、
亡くなった子供たちに誓うように言った。
あなた
貴方たちの分まで、私が鬼を斬る。
かなり小さな声だったが、
その思いはきっと、彼等に届いている事だろう。
追悼している間に、鎹鴉がやって来た。
あなたは、少々驚いた。
それもそのはず、その鴉は白かった
が、あなたはすぐに答えに至った。
あなた
アルビノ?
鴉は答えた。
ユキ
ソウデス。
あなた
そう、大変だね。
あなたは鴉を哀れんだ。
アルビノは遺伝子情報の欠損によって稀に生まれる
個体で、元来身体が弱く、しかも外見が周囲と
異なるため、迫害を受けやすいのだ。
しかし、鴉の答えは予想通りではなかった。
ユキ
ソウデモアリマセン。
皆、優シイデス。
コレハ私ノ個性デス。
あなたは己の考え方を恥じた。
ユキ
私ノ事ハ、ユキト呼ンデクダサイ。
ユキは、全く気にしていないようだった。
この優しさが周囲を優しくするのではないかと
あなたは考えた。
あなた
よろしくね、ユキ。
ユキ
ハイ

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