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第10話

♤ep.8
10
2024/06/16 15:00









紺咲 黎司(コンザキ レイジ)
紺咲 黎司(コンザキ レイジ)
聞きたい事は全部聞きました。
後は、様子を見て運営に伝えます。

(なまえ)
あなた
頼ンダッ!

(なまえ)
あなた
あ、追加なんだケド…

















紺咲 黎司(コンザキ レイジ)
紺咲 黎司(コンザキ レイジ)
…分かりました























Θside



一先ず用事を済ませ帰路に着いた途端、

激しく上下に揺れ始めた。


通称 “サイダー”

能力が身体に合わず、収まりきらなかったエネルギーが造り出す怪物だ。

造り出されるサイダーには主に二つの種類に分けられる。

一つは自我を失い、なりふり構わず暴れるサイダー。

もう一つは自我を持ち、特定の恨みを晴らす為に活動するサイダー。

ごく稀に、魔王のように他のサイダーを従える奴も現れるが、滅多に現れない。

今回はどんなサイダーなのか、仲間に詳細を確認するため連絡した。
紺咲 黎司(コンザキ レイジ)
紺咲 黎司(コンザキ レイジ)
『もしもし、らっだぁ?
 今回のサイダーの種類は?』
蒼山 頼(アオヤマ ライ)
蒼山 頼(アオヤマ ライ)
『…それがさ、新種っぽいんだよね』
紺咲 黎司(コンザキ レイジ)
紺咲 黎司(コンザキ レイジ)
『新種?
 灯夜ともや以来ってこと?』
蒼山 頼(アオヤマ ライ)
蒼山 頼(アオヤマ ライ)
『うん、そうなるな~
 危なくなったらすぐ退いてよ』
紺咲 黎司(コンザキ レイジ)
紺咲 黎司(コンザキ レイジ)
『了解、
 きょーさん達と合流するね』











紺咲 黎司(コンザキ レイジ)
紺咲 黎司(コンザキ レイジ)
あ、きょーさん達見つけた

金矢 恭(カナヤ キョウ)
金矢 恭(カナヤ キョウ)
お、コンちゃん
柳木 緑(ヤナギ ミドリ)
柳木 緑(ヤナギ ミドリ)
俺モ居ルヨ
火世宮 礼宇(カセミヤ レウ)
火世宮 礼宇(カセミヤ レウ)
俺もね~

紺咲 黎司(コンザキ レイジ)
紺咲 黎司(コンザキ レイジ)
まぁまぁ、
他の支部から新種の情報来た?

柳木 緑(ヤナギ ミドリ)
柳木 緑(ヤナギ ミドリ)
全然…

金矢 恭(カナヤ キョウ)
金矢 恭(カナヤ キョウ)
コンちゃんの方は?

紺咲 黎司(コンザキ レイジ)
紺咲 黎司(コンザキ レイジ)
あ…、…灯夜ともやと話してきたよ

火世宮 礼宇(カセミヤ レウ)
火世宮 礼宇(カセミヤ レウ)
灯夜ともや!?
金矢 恭(カナヤ キョウ)
金矢 恭(カナヤ キョウ)
あ~灯夜ともやね、って…え!?
柳木 緑(ヤナギ ミドリ)
柳木 緑(ヤナギ ミドリ)
ヤッパリ…?

紺咲 黎司(コンザキ レイジ)
紺咲 黎司(コンザキ レイジ)
相変わらず何処までも把握してるねぇ…
柳木 緑(ヤナギ ミドリ)
柳木 緑(ヤナギ ミドリ)
モチロン

金矢 恭(カナヤ キョウ)
金矢 恭(カナヤ キョウ)
それで、何話してきたん?
紺咲 黎司(コンザキ レイジ)
紺咲 黎司(コンザキ レイジ)
灯夜ともやが消えた理由、
… とか 。
金矢 恭(カナヤ キョウ)
金矢 恭(カナヤ キョウ)
… もしかして詳しくは言えない感じ?
紺咲 黎司(コンザキ レイジ)
紺咲 黎司(コンザキ レイジ)
そうなんだよ 、ごめんよぉ …
金矢 恭(カナヤ キョウ)
金矢 恭(カナヤ キョウ)
まぁ、仕方しゃあ無いかぁ…

 































蒼山 頼(アオヤマ ライ)
蒼山 頼(アオヤマ ライ)
ま、今は目の前の敵に集中ね

紺咲 黎司(コンザキ レイジ)
紺咲 黎司(コンザキ レイジ)
だね〜

運営支部から集まった隊員と他の支部から集まった隊員のみで新種サイダーの撃退に努める。

新種、となると何をするか分からない。それに被る被害の規模も、並のサイダーとは桁違いになる。

灯夜ともやの時は、灯夜ともやの身体と1人の少年の命を犠牲に、最小限の被害に抑えられた。

今まで命を犠牲にしてこなかった灯夜ともやは責任を持って辞職した。たった1つだけ、しかし1つも失ってしまった。


実際、それは建前で未成年だった彼を世間の目から遠ざける為でもあった。

残念な事にサイダーの撃退に犠牲は付き物。言うなれば仕方の無い事だったのだ。

何も知ろうとしない一般人は情報に踊らされ、結果、灯夜ともやは能力の作用もあり、人格に大きな歪みが生じ不便な生活を余儀なくされた。

あくまで聞いた話だったけど、ほぼ事実だろう。
ネット上での批判は苛烈を増しに増して、多くの一般人が書類送検される事となった。彼の住んでいた孤児院、住む場所に罵詈雑言の手紙や悪戯を超える明らかな敵意を向けた物が送り付けられていた。


ただ、ネットを見なければ良い、と思うかもしれない。

でも彼にはどうしても出来ない理由がある。

全部視えてしまう。どんなに視たくなくても、本来視えないものであっても、全て可視化されてしまう。

それは揺るがない事実であり、覆しようの無い事実だ。強過ぎる考えや意見は、多過ぎる情報量に重なり続けコントロールしにくい訳だ。





彼が壊れてしまうのも、無理はなかった。
それでも、周りを傷付ける事なく、密かに姿を消す判断をした彼を、賛えるべきだと思ったりする。




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