今日はKAITOの誕生日。
リビングはカラフルに彩られていた。
風船やリボンの飾り。
テーブルいっぱいのご馳走。
外は少し暗くなり始めて、部屋の明かりが映える時間。
KAITOは目を瞑って、ソワソワしながら待っている。
翔は最後にケーキを冷蔵庫から出す。
その瞬間、KAITOがリビングに飛び出してくる。
耳がぴんと立ち、尻尾が上下に揺れる。
目が一気にきらきらと輝く。
ぱたぱた駆け寄ってくる。
勢いよく翔に抱きつく。
そのまま顔を擦り寄せる。
その無邪気な笑顔だけで、翔は準備した甲斐があったと思えた。
KAITOの好きなものを皿にのせていく。
オムライスやハンバーグが乗った皿を渡すと、KAITOは嬉しそうに微笑んだ。
嬉しそうに食べ始める。
口いっぱい詰め込む姿がリスのようだ。
翔は笑いながらKAITOにジュースを差し出す。
デザートのケーキにろうそくを灯す。
そして、部屋の明かりを落とした。
KAITOの瞳に映って、まるで星みたいだった。
ふーっと息を吐き、ろうそくの明かりを消す。
その言葉に、KAITOはとびきりの笑顔を見せた。
翔が大きくケーキを切り、KAITOに渡す。
クリームをいっぱい口につけて嬉しそうに食べ始める。
その間に翔は大きめの箱を持ってくる。
KAITOよりも少し大きい箱だ。
綺麗に包まれて、可愛いリボンまでついている。
KAITOの耳がぴくぴく動く。
大事そうに箱を膝へ置く。
リボンをほどき、紙を破かないように慎重に開ける。
箱を開いた瞬間。
KAITOの動きが止まる。
箱の中にいたのは、ふわふわで、KAITOより少し大きめの猫のぬいぐるみ。
KAITOがゆっくり顔をあげる。
これはKAITOがずっと欲しかったぬいぐるみ。
でも高そうで、翔におねだりするのが申し訳なくて買うのを諦めたものだ。
それを見抜かれていた。
そっとぬいぐるみを抱きしめる。
ふわふわしてて、柔らかくてあったかい。
KAITOがこくこくと頷く。
KAITOは首を振る。
ぬいぐるみを抱き抱えて翔に近づく。
片手で翔にも抱きついた。
翔が目を丸くする。
翔は困ったように笑って頭を撫でた。
しばらくして、翔が何気なく聞く。
KAITOの動きが止まる。
視線を泳がせながら口を開く。
翔は優しく続きを待つ。
KAITOは翔を少し照れながら真っ直ぐ見上げた。
静かになる部屋。
ふっと翔は優しく笑った。
KAITOは少し不安そうに頷く。
翔が即答した。
ぽん、と頭に手を置く。
優しく撫でる。
KAITOの耳がぴくっと立つ。
翔は小指を差し出した。
嬉しそうに小指を絡める。
その夜。
KAITOはぬいぐるみを片方に抱き抱え、もう片方の手で翔に抱きついて眠った。
一番欲しかったプレゼントは、ぬいぐるみ。
そして、ずっと誕生日には一緒にいるという約束。
どちらもKAITOの宝物になった。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!