重苦しい雰囲気の中
車はようやく件の海岸に到着した
全員はやる気持ちを抑えながら車を飛び出すと、其処にはすでに応援の捜査員が出動し
防波堤から水面の方向をのぞき込んでいる
青島が走りながら捜査員たちに近づくと
彼らは嫌そうな顔、怒ったような態度をあらわにした
すみれの携帯が鳴った
居並ぶ勝どき署の捜査員はどうやら青島達が臨場したことが許せないらしい
この捜査員の言動はすべて本心なのか
人の命が、それこそ身内が危険にさらされているのに
こんな時まで縄張り争いなんて
青島たちは確かに憤りを感じていた
その時
青島の視界は確かに ”それ” をとらえた
あなたが着ていたコートを羽織った人の体が、水の中に沈んでいく姿を
青島は投げるようにコートをすみれに預け
靴を脱ぐと
勝どき署の捜査員を押しのけて
海に飛び込んだ
室井も青島同様にコートをすみれに渡すと
氷のような冷たさの海に
飛び込んでいった

















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。