第36話

34 問題
478
2024/12/16 22:00 更新
重苦しい雰囲気の中







車はようやく件の海岸に到着した



全員はやる気持ちを抑えながら車を飛び出すと、其処にはすでに応援の捜査員が出動し





防波堤から水面の方向をのぞき込んでいる





青島俊作
青島俊作
あの!
俺たち湾岸——





青島が走りながら捜査員たちに近づくと














彼らは嫌そうな顔、怒ったような態度をあらわにした









勝どき署
湾岸署が何の用だ!
勝どき署
此処はウチの管轄だぞ!







青島俊作
青島俊作
………は








すみれの携帯が鳴った









真下正義
真下正義
『……あ、!もしもし⁈』
恩田すみれ
恩田すみれ
真下君!
真下正義
真下正義
『やっと繋がった…先輩すぐ切っちゃうから……あの、さっき言おうとしたことなんですけど』








真下正義
真下正義
『通報が入った海岸、実は勝どき署の管轄なんです』
恩田すみれ
恩田すみれ
…だからなのね…!











青島俊作
青島俊作
そんなこと言ってる場合じゃない!人が飛び込んでんだよ!





勝どき署
それは全部ウチで処理できる!
空き地署が出しゃばる必要
なんてないんだよ!
室井慎二
室井慎二
君たち、それは…
本気で言ってるのか














勝どき署
…管理官は本店ですけど
支店同士は難しいんですよ








居並ぶ勝どき署の捜査員はどうやら青島達が臨場したことが許せないらしい









勝どき署
海上保安庁にも連絡した
救急車も向かってる
あと10分程度で全部助けられる
勝どき署
空き地署はさっさと帰れ!










この捜査員の言動はすべて本心なのか






人の命が、それこそ身内が危険にさらされているのに





こんな時まで縄張り争いなんて







青島たちは確かに憤りを感じていた








青島俊作
青島俊作
四の五言ってる暇は————







その時








青島の視界は確かに ”それ” をとらえた









あなたが着ていたコートを羽織った人の体が、水の中に沈んでいく姿を










青島俊作
青島俊作
すみれさん!
これ持っててッ!
恩田すみれ
恩田すみれ
えぇ⁈


青島は投げるようにコートをすみれに預け




靴を脱ぐと


























勝どき署
あ!おいこの野——








青島俊作
青島俊作
どけ!!!










勝どき署の捜査員を押しのけて







海に飛び込んだ










室井慎二
室井慎二
……彼奴










室井慎二
室井慎二
恩田君!
悪いが私の分も頼む!




室井も青島同様にコートをすみれに渡すと









氷のような冷たさの海に






飛び込んでいった








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