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第1話

── 𝒫𝓇𝑜𝓁𝑜𝑔𝓊𝑒 ──
39
2026/07/27 10:32 更新
医者
検査の結果が出ました。残念ながら、皮膚の悪性腫瘍(メラノーマ)が全身へ広がっており、現在の治療ではこれ以上の進行を抑えるのが難しい状況です
中滝なかだき あなた
っ、!
医者
これまでの経過や、お体の今の負担を総合的に考えますと、これからの時間についてお話しなければなりません
中滝なかだき あなた
先生、ッ
医者
残された時間の目安として、およそ3ヶ月ほどを考えていただくことになります
中滝なかだき あなた
たったの?たったの3ヶ月ですか
残された時間だなんて

一生を悪女として終えるなんて

いやだよ 神様 猶予をちょうだい

ヒロインをずっとみがいてあげてきたんだよ

でも でも
医者
もちろん、これはあくまでひとつの目安であって、正確な日数を断定できるものではありません
医者には

わたしは他人ひとに見えるんだよね
中滝なかだき あなた
で、ですよね、!
医者
あなたさん
中滝なかだき あなた
ヒグッ
医者
これからの時間をどのように過ごされたいか、痛みや苦痛を取り除く緩和ケアを含めて、一緒に相談していきましょう
中滝なかだき あなた
は、はい!
正直立ち直る事なんて絶対できないと確信してた


ヒロインのためにずっと働いてたんだよ


そうか


裏で働いてたのが悪かったのか


じゃあこれからは表で役立とう!


自棄になってそんなことを考えているうちに、


妄想が膨らんだ





❄︎〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰❄︎



それはわたしがヒロインの世界


みんなはわたしの方を向いて優しい笑みを浮かべて


わたしをかばってくれるの


わたしが寂しいって言ったら誰かが飛んできて


わたしがいるよっていってくれる世界


世界はわたしのためにあるみたいで


わたしは世界のためにあるみたい


❄︎〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰〰❄︎


くっだらない妄想をしてるときに


冷たい冷たい不器用な涙が浮かんできた


だって皮膚がんって対策のしようのないものだと


思ってたから


ホクロみたいなのがあるなーとおもったら


それがメラノーマだなんてさ


医者じゃないんだからさ わかんなかったんだよ


わたしが悪いわけじゃないんだよ


足の裏にできるなんてさ 見つけにくいでしょ


だからさ わたしはさ 悪くないんだよ、絶対
継母
おかえりなさい…ってあなた!
どうしてそんな泣いてるの!?
うちは母も皮膚がんでこの世を去ったから継母だ


優しくって本当のお母さんみたいなひと


ずっとつっけんどんにあしらってきたけど今日は


すごく甘えたい気分だった


世の中は不公平だよ
継母
あなた……………………………………

その後はあんまり覚えてなかった


すぐ部屋に入ってお母さんに泣き泣き今日のことを


話した お母さんはすごく真剣に聞いてくれて


話を聞き終わったら何かを言った


あんまり覚えてないけど。


それからすぐ寝ちゃった


お母さんは「ゆっくり寝てね」みたいな事を言って


すぐ部屋を出た すぐに何か音がした


ドアに耳をおしつけて聞いてみると それは声で


お母さんがお父さんに泣きながら話していた
中滝なかだき あなた
(心配させちゃったな…)
ベッドにごろんと大の字に寝ころぶ


中滝なかだき あなた
でも、明日からは自由気ままに生きれる!
死への恐怖はなかった


わたしはまたこの地によみがえると信じていたから


夕ご飯を食べて 存分に友だちとLINEをして


その日は家族以外誰にも癌のことを話さずに寝た
涼みるみるく
涼みるみるく
あなた死ぬなよ!?

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