京本side
2泊3日の一時退院もあっという間に最終日
今日が終わったら一生この家に帰ってくることは出来ない
北斗と『おはよう』ってチューすることも
『いただきます』って一緒にご飯を食べることも
『行ってきます』って仕事に行くことも
『行ってらっしゃい』って送り出すことも
『ただいま』、『おかえり』って言うことも
一緒にお風呂に入ることも
一緒に映画を見ることも
一緒にゲームをやることも
『おやすみ』ってチューすることも
全部
全部、全部出来なくなってしまう
北斗と暮らす日々は何日あっても足りない
いつの間にか、北斗との日常は俺の中で1番大切なものになっていた
北斗「…今日は何したい?」
朝ごはんを食べたあと、北斗が聞いてきた
「…北斗の、体温をずっと感じていたい」
死ぬ前、だからかな、
こんな恥ずかしい言葉をいとも簡単に口に出せたのは
今日が終わったら、俺を待つのは『死』だけだから
北斗「わかった
俺にも大我の体温を感じさせて?
一生忘れないように、」
「もちろん、」
体を重ね合わせることはしない
ただベッドの中できつく抱きしめ合った
髪から漂う同じシャンプーの匂い
首筋から漂う北斗の匂い
俺よりも大きくて包容力のある腕
俺よりも広い肩幅
筋肉質でたくましい抱き心地
北斗のすべてが俺にとって安定剤となる
北斗「ねぇ、チューしていい、?」
「いいよ、」
そう答えると俺より少し大きい男らしい手が恋人繋ぎで俺の手に重なる
そして唇が重なる
北斗「…好きだよ これからも、ずっと」
「…俺も 好きだよ」
今の俺たちには『好き』という言葉だけで十分だった
(出来ることならずっと北斗に寄り添いたかったな、)
一時退院最終日はずっとベッドで過ごした_













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。