目を開けると、眩しい太陽が差し込んでいた
その太陽は、いつも見ているものと全く同じ
だけど、ふと視線を真っ直ぐに戻すと、つい最近まで見ていたものとは違う風景が広がっていた
主に木で作られた屋敷
袴など、和を基調とした雰囲気が漂う町
ここは、大正時代。
私たちの時代
久しぶりに聞くことが出来た御館様のお声は、いつものように私たちを暖かく包み込んでくださり、とても包容力があった
その後、各自自分の屋敷に戻り、期間を喜んだ
屋敷に帰ると、水無月さんはいつも通りお出迎えして下さった
久しぶりに大好きなお茶を堪能し、私はとても幸せで包まれました。
令和を救うことができ、ヒーローの卵さん達と過ごし、たくさんの知識を得ることができ、そして...
また、"いつも"へ帰ってきた
たくさんの幸せが連鎖し、私の心は嬉しさでいっぱいでした
Change scene.
あの日、空に大きな渦が現れた。
それから、とても大きなことが起こり、世界が混乱していた
はずだった
でも、私も..みんなも...先生も、ヒーローも..
誰も、何も覚えていない。
だけど、薄らと覚えている。
夜を舞台に戦う英雄達がこの地に訪れ、守ってくれていたことを。
でも、それ以外の記憶が全くなかった
多分、帰った時に、時代の流れに影響を出さないようにと、こちら側の記憶が消えちゃったんだ
少し前を歩く勝己くんの後ろをいつも通り着いて行く
毎回思うけど、やっぱり私から見ると勝己くんの背中は大きい
1回でいいから、後ろから勢い良く抱きついてやりたいな、とか思ってしまう
そんなことを思っていた時、数名の学生が横断歩道の向こう側にいるのが見えた
ふと、そう思った
白色のシャツに、緑色のネクタイ
チェックの柄がほんのりと見えるプリーツスカート
見たことの無い制服だった
そう言うと、勝己くんも、私の見ている方向を見ていた
さらっとつっこむけれど、私の心は、ひたすらあの人たち1つだった
そう、ずっと彼女たちを見ていると、目が合った
その時に、彼女たちは優しく微笑んでくれた
微笑んだ時、彼女たちの後ろから数名の大人が歩いて来た
恐らく、教師だと思う
あの姿、声、しぐさ..全てを知っている
彼女たちは、私たちを助けてくれた、とても大好きな人達だ
fin.
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。