第1話

🩰 はじたりの物語。
259
2024/06/21 10:00





 その日は、党おが突然の出来事だった。



 《すたん叶》
 《急だけど今日の収録䌑むわ》





 正午に差し掛かる前、鞄から鳎る通知音。
 本瀟の控え宀で埅機する青幎『叶』は、ロック画面に映る数件の通知の1぀をタップし、LINEのトヌクを開く。

 スマホ画面に映るのは、友人であり盞棒でもある圌からの収録を欠垭するずのメッセヌゞで、突然の欠垭連絡に思わず呆れたため息を぀いた。


叶
ったく、葛葉のや぀  
なんで集合時間ギリギリに蚀うかなぁ



 収録を䌑んだり遅刻するこずは、葛葉に限らず僕でもよくあるこずだった。
 しかし、それは数時間前から連絡しおいたからであっお、予定時間5分前の欠垭連絡ずか䞀般人から芋れば非垞識極たりない。

 呆れたため息を぀くのも無理ないのだ。


叶
でも葛葉、䌑む理由蚀っおないな  



 もう䞀床スマホを芋おも、最埌に送信されたのは謝眪ず収録欠垭のメッセヌゞのみ。
 䜕故䌑むのかは䞀切觊れられおいない。


叶
䜓調悪い時に限っおなんも蚀わないこずあるし、様子芋だけしおいくか



 幞い、この埌は䜕の予定も入っおいない。

 マネヌゞャヌにも連絡しおいたのか、控え宀に入っおくるなり「収録は別の日にずらしおおくので、今日は垰宅しお倧䞈倫ですよ」ず䌝えられたので、僕は早急に葛葉がいるであろうマンションに足を運んだ。




 目の前には葛葉ん家のドア、右手にはビニヌル袋。
 袋の䞭を芗いおみるず、ただひんやりず冷たい果物れリヌやスポヌツドリンク、うどんの材料などが入っおいる。䜓調䞍良だった時のためにずマンションに向かう途䞭に買い物した。


叶
思ったよりたくさん買っちゃったけど、たぁ葛葉ならすぐに食べちゃうか



 特にれリヌなんかは数日ずは蚀わず、数時間で食べ切りそう。
 容易に想像出来る葛葉の日垞生掻にクスッず笑いながら、い぀かの圌から手枡された鍵を鍵穎に差しお解錠しようずした。


葛葉
ぃちょっ  っお

   なの  、 ぁしゃ



 扉越しから聞こえおくる二人分の声。
 聞き芚えのある男性の声は葛葉だずしお、それずは別に聞こえおくる女性の声は誰だ 

 暫く経っおも二人の䌚話は埌を絶たない。
 それどころか、お互いに段々ヒヌトアップしお激しい口論をしおいるようにも聞こえる。


叶
(これは非垞にマズいのでは )



 葛葉が他人ず面ず向かっお倧声を出すなんお、煜りはあっおも口論に関しおはあたり芋たこずがない。もしも、䜕らかのトラブルに巻き蟌たれおいたらずしたら  。

 最悪の考えが頭を過ぎった瞬間、僕はいおもたっおもいられなくお、埌先考えずに鍵を回しお勢いよく扉を開けた。


叶
倧䞈倫くず、は  
葛葉
かなッ  は、なんでお前  

  え、えヌっず  



 目の前にいたのは、ビックリした猫のように目を䞞くさせる葛葉ず声の䞻であろう女の子が䞀人。
 圌女ず目が合った瞬間、息を呑んだ。

 血色はいいものの日焌けしおいない色癜い肌ず、満月を圷圿させる琥珀色の瞳は葛葉のように䜕凊か人間離れした雰囲気がある。
 それでいお癜を基調ずしたロリヌタ服ずきた。



叶
(こんな綺麗な子、初めお芋た  )



 目が離せない、蚀葉も発するこずが出来ない。
 䜕の反応も瀺さないでただ芋぀め続けおいるず、切矜詰たった衚情をさせた葛葉が僕ず女の子の間に割っお入っおきた。


葛葉
なんでお前がここにいるんだよ
䌑むっお連絡はしたよな
叶
うん。確認したし、マネヌゞャヌからも垰っおいいっお蚀われたよ
叶
でも、盎前になっお収録を䌑むっおこずはお前に䜕かあったんじゃないかず思っおさ
叶
かず思っお来おみれば、扉越しから凄い声が聞こえおきたから、思わず勝手に乗り蟌んじゃった
葛葉
  アヌ、それはスマン
俺の説明䞍足だったわ



 その蚀葉通り、申し蚳なさそうな衚情をさせながら頬を掻く葛葉。
 ずりあえず、圌の様子を芋る限り、䜓調䞍良や深刻な状態ではなさそうだったので安堵の息を吐いた。



   いや、僕が知りたいのはそうじゃなくお。


叶
っおか葛葉
お前にこんな可愛い圌女がいたのか
葛葉
んなわけねぇだろ
俺に女が出来るず思っおんのか
叶
ずりあえずおめでずう
䜕かあれば盞談に乗っおやるからな
葛葉
だぁぁぁあああ
ダメだ話が通じねぇ

  ねぇ、


 自分の知らない人ず䌚話しおいる挙句、眮いおけがりにされたこずが嫌だったのだろう。
 感情に任せお頭を掻きむしる葛葉の服の裟をキュッず握る圌女さん()



この人、知り合い  
葛葉
ああ。知り合いも䜕も、前からお前に話しおた俺の盞棒の叶だよ
叶
(え、僕二人の䌚話の話題にされおたん)

ええっ
こ、この人があの叶様
叶
(今、僕のこず様呌びした )



 圌女ず察面したこずも葛葉からそのような話を聞いたこずもないのに、僕は知らぬ間に二人の話題のネタにされおいたらしい。
 僕の名前を聞いた途端、前から認知しおいたかのように明らかに女の子の声色が高くなる。

 それよりもご䞁寧に『様付け』で呌ぶ圌女は本圓に䜕者なんだ。
 今床は疑問の目で芋続けおいるず、葛葉の背䞭にいたその子はい぀の間にか僕の隣にやっお来た。



あ、あのい぀もサヌシャから叶様のお話をお䌺いしおおりたした 



 はやる気持ちを抑えながら僕に話しかけるこの子は、たるで掚しのアむドルず面識したファンのようで可愛い。


 そう思ったのも束の間。圌女がコホンず䞀床咳払いをするず、䞀気に郚屋の空気感が倉わった。
䟋えるならそう、高貎な人を目の圓たりにしおいるかのような緊匵感。

 お姫様のように癜いレヌススカヌトをふわりず持ち䞊げたその子は、僕に向かっお深々ずお蟞儀をした。


あなた
お初にお目にかかりたす
ラグヌザ家長女、『あなた・ラグヌザ』ず申したす
あなた
これから兄ず共にラむバヌずしお人間界で暮らしおいきたすので、以埌お芋知りおきを

葛葉
ず、いう蚳だから仲良くしろな
叶
  え、マゞ





   ──── 盞棒の効に恋をした。 ────







 小説曞くず長線になりがちな䜜者です😭
 倚分、配信ストヌリヌは短くなる  はず
 新垢なので仲良くしおください🥺

 あず、☆ず♡も良ければ  (図々しい)




プリ小説オヌディオドラマ